2018年、ある会員さんによる、演劇良作20選!!

今年も、とある会員さんによる、悩みに悩んだ!!演劇良作20選です!

2017年と2016年はこちらです!!

とある会員さまによる、2017年「悩みに悩んだ偏愛的ベスト20」!

とあるシナリオクラブ会員による、勝手に演劇アワード2016

ちなみに、選んでくれた会員さんは、年間150本以上の舞台を観劇されるすごい方!!

単純計算で2日や3日に1本は舞台をみている計算になります。僕なんか月に2~3本なので、量がすごい!!

その中から選んでくれた、2018年の演劇良作20選です。

       

・TERROR テロ
・Sing a Song
・赤道の下のマクベス
・砂塵のニケ
・ヘッダーカブラー
・731
・首のないカマキリ
・夢の裂け目
・D51-651
・私は世界
・ドキュメンタリー
・母と暮らせば
・蛇と天秤(改訂版)
・THE Dark city
・光より前に~夜明けの走者たち~
・豊饒の海
・残り火
・善悪の彼岸
・逢いにいくの、雨だけど
・象の死

今回は、あらすじと一言コメントをつけて、発表です!!

TERROR テロ

あらすじ

2013年7月26日、ドイツ上空で民間旅客機がハイジャックされた。犯人であるテロリストたちは、7万人が熱狂しているサッカースタジアムに飛行機を墜落させて多数の命を奪うと共に、世界的なニュースになることを目論んでいた。しかし、緊急発進したラース・コッホ空軍少佐は、独断でこの旅客機を撃墜する。
乗客164名の命を奪って、7万人の観客の命を守った彼は英雄なのか、犯罪者なのか。裁判は民間人が評決に参加する参審裁判に委ねられる。検察官による論告、弁護士による最終弁論を経て、判決は一般の参審員(観客)が決めることとなる。観客の評決によって、無罪と有罪の二通りの結末を持つ衝撃の法廷劇。

コメント

命の重さ、そして尊厳が語られてとっても良かったです。

とても活舌がよくて、すごく聞きやすかった!

Sing a Song

あらすじ

あの時代に生きた人々 彼らを救ったのは 歌 だった―

昔一人の歌い手がいた
歌を愛し歌に愛された彼女
だが戦争が彼女から歌を奪おうとした
歌い手とその歌に惚れ込んだ仲間たちは誇りを胸に皇軍慰問の旅に出る
歌に生きた一人の女とその歌を愛した人々の物語

コメント

戦場に赴く歌手の話なんですけど、脚本と演出が素晴らしかった!!

さすがはチョコレートケーキ。そして戸田恵子さんが本当に良かったです!

赤道の下のマクベス

あらすじ

1947年夏、シンガポール、チャンギ刑務所。

死刑囚が収容される監獄・Pホールは、演劇にあこがれ、ぼろぼろになるまでシェイクスピアの『マクベス』を読んでいた朴南星(パク・ナムソン)、戦犯となった自分の身を嘆いてはめそめそ泣く李文平(イ・ムンピョン)、一度無罪で釈放されたにも関わらず、再び捕まり二度目の死刑判決を受けるはめになった金春吉(キム・チュンギル)など朝鮮人の元捕虜監視員と、元日本軍人の山形や黒田、小西など、複雑なメンバーで構成されていた。

BC級戦犯である彼らは、わずかばかりの食料に腹をすかし、時には看守からのリンチを受け、肉体的にも精神的にも熾烈極まる日々を送っていた。

ただただ死刑執行を待つ日々……そして、ついにその日が訪れた時……。

コメント

戦犯になった一人一人の背景が浮き彫りになるんですが、これぞ芝居って感じ!!

砂塵のニケ

あらすじ

ある日、美術修復家の緒川理沙は、ある絵画の修復を手掛けることになった。
それはパリの風景を描いた一枚の絵。
夭逝した天才画家加賀谷直人が遺したものだ。
修復とは、時代を遡って過去の痕跡をたどり、創作の原点を明らかにすること。
理沙は、手掛かりとなるその景色を求めてパリへと飛び立つのだった――。

一枚の絵が「過去」と「現代」を結び、「親」と「子」をつなぐ。
親が子に託すもの、親から子が受け継ぐもの、そして未来に渡すもの…。
悠久の時の流れの中、二つの世代を旅しながら、
現代に生きる一人の女性が自らの存在理由を探る。

コメント

装置がすごくて、役者が本当にすごかった!!

俳優の増子倭文江さんが本当にきれいでした・・・。

ヘッダーカブラー

あらすじ

高名な将軍の娘で、美貌と才気に恵まれた女性ヘッダ。思いのままに人を操り、
すべてを手に入れたかに見える彼女だったが、実は現状への不満や不安、
言いようのない焦燥感にかられ…。
彼女は「稀代の悪女」なのか、時代に抗った「新しい女」なのか!?
19世紀末にイプセンが放った衝撃の女性像に、最強カンパニーが総力で挑む!

コメント

小日向文世さん、池田成志さん、段田安則さんの3人の男優が本当によかった!!

731

忘レテシマオウ スベテ忘レテシマオウ アノ断末魔ノ声ヲ 血ニ濡レタ肉塊ヲ

見逃シテハナラナイ 息ヲ止メテ瞬キモセズ

人間ガ死ニ至ル姿ヲ 見ツメテイタ自分ヲ

忘レル筈モナク 忘レラレル筈モナク

悪魔トナッタ自分ハ 人間ニハ戻レナイ

忌マワシイ記憶ヲ抱イタ 七人ノ男タチ

ソノ部屋ニ集マッタノハ 七三一部隊ノ生キ残リ

地獄ヲ見タ人間ガ イチバン怖イ

コメント

戦時中に細菌による人体実験を行った部隊の話なんですが、役者さんが、無表情で不気味でした・・・

死に対する感覚が異質で、そこに惹かれました!

首のないカマキリ

あらすじ

森坂家の長女、理絵は、中学卒業以来疎遠になっていた幼馴染のミハナちゃんが病により若くして急逝したことを知り、ショックで塞ぎ込んでいる。そんな姉に対する高校生の妹・奈緒の視線は冷ややかだ。小学生の頃の夏休み、姉妹とミハナちゃんはカマキリの交尾を見た。メスに食べられ頭部を失いながらもオスのカマキリが交尾を続けている珍しい瞬間に立ち会う。理絵は「命の神秘」を思い、奈緒は「そこまでして命を育もうとするのは下品」と感じた。姉妹の母・美幸は森坂家の抱える数多の問題に心労が絶えない。夫・大介の海外赴任が迫る中、理絵の精神的ケア、奈緒が学校で起こした問題、同居する義母との関係、無職の義弟が実家に戻ってくることなど。また、20年以上会ってない美幸の叔父が突然訪ねてきた。耳慣れない「献体」について頼みたいことがあると相談され・・・。

これは《命の距離》を見つめる物語。

コメント

良い!!さすが俳優座!!脚本も俳優さんも本当に良かったです!!

夢の裂け目

あらすじ

昭和21年6月から7月にかけて、奇跡的に焼け残った街、東京・根津の紙芝居屋の親方、天声こと田中留吉に起こった、滑稽で恐ろしい出来事。ある日突然GHQから東京裁判に検察側の証人として出廷を命じられた天声は、民間検事局勤務の川口ミドリから口述書をとられ震えあがる。家中の者を総動員して「極東国際軍事法廷証人心得」を脚本がわりに予行演習が始まる。そのうち熱が入り、家の中が天声や周囲の人間の〈国民としての戦争犯罪を裁く家庭法廷〉といった様相を呈し始める。そして出廷の日。東条英機らの前で大過なく証言を済ませた天声は、東京裁判の持つ構造に重大なカラクリがあることを発見するのだが……。

コメント

これはもう、さすが井上ひさしさん!!

音楽劇は好みでない部分があるのですが、これは本当に良かったです!!

D51-651

その機関車は、秩序を殺した。

薄暗い扇型車庫の奥に、鋼鉄の塊がうずくまっている。

水を飲み、石炭を喰らい、腹の中に炎を宿す生き物。

蒸気機関車。ささやかな自身と誇りを持って、その運転台に座り続けた。

煙を吐き、熱を放つ生き物を、定刻通りに走らせる。

一人の機関士。

毎日の仕事だった。

何も変わらない筈だった。

ひとつの事故、ひとりの人間の死が、すべてを狂わせた。

コメント

さすが野木萌葱さん、和田憲明さんのコンビ!!緊迫感がものすごかった!!

観ていてどんどん追い込まれました・・・!!

私は世界

あらすじ

Story1.危険地域取材の自己責任

フリーのジャーナリストが紛争地で消息を絶ち、1年近くが経つ。大学の後輩だった新聞記者は「救出」に向けて世論に働きかける記事を書こうと、ジャーナリストの母の祈るような毎日を取材していたある日、外科医でジャーナリストの妻から「一切、記事にしないでほしい」と言い渡される……。

Story2.若者の貧困の自己責任

取材を続ける新聞記者に養護施設から「お父さんを引き取ってほしい」と連絡が入る。仕方なく今後の父の処遇を相談すべく何年も音信不通だった弟に会って、兄は驚愕する。弟は30歳を過ぎてなお年収は200万円程度。非正規雇用で「生きる屍」のような苦しい生活を何年も続けていた……。

コメント

自己責任と真っ向勝負でしたね!!力作でした!!

ドキュメンタリー

あらすじ

-1985年、日本に新しい病気が姿を現した。その感染経路の一つは『薬』。-

1985年、後天性免疫不全症候群いわゆるAIDSの脅威が
日本の水面下に拡大しつつあった。とある製薬会社の社員の一人が
ジャーナリストに内部告発を行う。そしてジャーナリストと社員は
日本医学界の深い闇を知る・・・

コメント

731部隊出身者の話しなのですが、医者が無表情で、いやぁ、表情が怖かった・・・そしてすごかったです・・・!

母と暮らせば

あらすじ

1945年8月9日午前11時2分、主人公の長崎医科大学に通う福原浩二は長崎の原爆で跡形もなく被爆死した。それから3年後、その助産婦を営む母・伸子のもとに原爆で被爆死したはずの浩二が亡霊となって現れる…

コメント

良かったです!!母も息子も、すごく良くて・・・泣きました・・・。

蛇と天秤(改訂版)

生命を、弄ぶ。
医学の神アスクレピオスの持つ杖には
一匹の蛇が絡みついている。
ある日、蛇は主の杖から這い出して
薬品調剤を司る天秤にこう言った。
「人間の命の限界を超えてみないか」
天秤は頷いた。なんと素晴らしい提案だろう。
人間の命の限界を超える。
蛇も天秤も本気だった。
しかし蛇は神ではなかった。
彼らはその事に気付かなかった。
医学と薬学。
命と交差する学問の前で
欲と虚栄と自尊に溺れる彼らの姿は
まるで人間の様だった。

コメント

すごい本でした・・!!製薬会社と賄賂の話なのですが、緊迫感と生々しさが濃密に表現されていてよかったです!!

THE Dark city

あらすじ

昭和23年、埼玉県本庄町で朝日新聞記者が暴行される事件が起こった。

この事件は、町を支配するヤクザと町議会議員、警察、検察が手を結び、

自分たちが関わる闇取引の癒着を隠蔽しようとしてのことだった。

これに対して朝日新聞は誌上で批判キャンペーンを展開。

そのことが町民たちを動かす。
町民たちの民主化を求めるパワーが、ヤクザたちの逮捕、起訴へと、

また警察署長らの辞任へとつながった。
マスコミが圧力に屈せず、ペンの力で市民を動かしたこの事件を描くことで、

現代につながる「ジャーナリズムの力」を問う

コメント

記者VS政治家の店舗の良い展開がよかったです!!

私は温泉ドラゴンの新境地って思いました!!

光より前に~夜明けの走者たち~

あらすじ

東京オリンピックで銅メダルを獲得した円谷幸吉と、
その四年後にメキシコオリンピックで銀メダルを獲得した君原健二。
これは、ライバルでもあり、友人でもあった二人の物語。

1964年、東京オリンピックをともに走ったランナー、円谷幸吉(宮崎秋人)と君原健二(木村了)。

円谷は、信頼するコーチ畠野洋夫(和田正人)との二人三脚のトレーニングにより、番狂わせの銅メダルをもぎとった。君原は、優勝候補と期待されるも入賞を逃し、失意のうちに引退を決意する。

日本中の期待を背負って、次なるメキシコ五輪へ向けて走り始めた円谷は、周囲の圧力や愛する人たちとの別れを受け、徐々に調子を落としていく。一方、引退の意志を固めていた君原は、コーチの高橋進(高橋光臣)、そして愛する人との出会いよって再び走り始め、順調に記録を伸ばすのだった。

「走る」こと以外は好対照であり、正反対なふたりを、スポーツライターの宝田修治(中村まこと)が追っていた。

メキシコオリンピック目前、君原のもとにある報せが飛び込む。それは、「円谷幸吉・死去」というあまりにも突然の訃報だった……。

コメント

とっても良かった・・・!二人の関係性の描き方が、とってもよかったです・・・!

豊饒の海

生きて、死ぬ・・・・。

そして生まれる

「又、会ふぜ。きつと会ふ。」

という言葉を残し、二〇歳で生命を落とした男、松枝清顕。

彼を生涯追い求める男、本多繁邦。

そして本多の前に清顕の生まれ変わりとして登場する人々。

存在とは、世界とは、美とは、

そして「私」とは・・・・。

コメント

場面転換がすごかったですね・・・!

読売演劇大賞では照明で候補になっているらしいのですが、能の舞台のように動く黒子がすごかった・・!

残り火

あらすじ

急成長中の居酒屋チェーンを経営する藤田健太郎は今から12年前、
高速道路で煽り運転の末に交通事故を起こし、
当時8歳だった少女沢渡美希を死なせてしまった。
その後、健太郎が服役中の7年間は、
古くからの友人である滝本学の援助により、家族はなんとか生きてきた。
出所した健太郎は居酒屋をオープンさせ、妻、弁護士の長男、ハワイ留学を計画中の長女と
豊かな生活を送るようになった。

しかし、ある男が健太郎の目の前に現われたことにより状況は一変する。

「交通事故」の加害者と被害者。
戻らない命と生きていく人々。
ふたつの家族を通して、罪と罰、そして生きることの本質を描き出す。

コメント

緊迫感がとてもあふれていました・・・!

厳しい芝居で身動きできなかったです・・!

善悪の彼岸

あらすじ

なぜ殺すのか?
なぜ殺されるのか?
「殺す」ことを拒否できない刑務官たちの
知られざる苦悩。
日本国民の約8割が支持する
「死刑の正義」とはいったい何なのか?

あなたは死刑執行ボタンを
押せる? 押せない?

死刑執行を通して
「日本独特の責任論」に迫る―――

コメント

死を題材にする作品は少なくないのですが、この作品は良かった!!執行する側から見て、携わる人、尻込みする人など、生々しさが溢れていて、すごかったです・・・!

逢いにいくの、雨だけど

あらすじ

小学生のとき。幼なじみに負わせたケガのせいで、うちの家もあっちの家も、ままならなくなってしまった。あの事故で何もかもが歪んでしまった。あんなにひどいことになるなんて。あれから長い月日が経ち。あの子は、あの人はどうしているだろう。ときに振り返ってみたり、ときに立ち止まってみたり。それでも日常は進行する。「人生」という尺度を実感出来る歳になって、ようやくわかった。あの事故にまとわりつく罪や遺恨は、きっとどこまでいっても終わりはない。

2018年、iakuの新作は「許す」を考察する。

コメント

許しをテーマにした作品なのですが、これも厳しい話でした・・・!

象の死

あらすじ

第二次世界大戦中、
陸軍は日本各地の動物園の猛獣に対する殺処分を命じた。
ある都会の動物園では、
チェリーと呼ばれる象が絶食を始めてから、
すでに三〇日を超えていた……。
この「象の死」が意味するものは――。
戦争の理不尽さと生命の尊さを素朴に問いかけてくる

コメント

家族として接してきた動物と世話をする人との苦悩があって、とても厳しい話です・・・。

 

というわけでいかがでしたか!!

2018年の作品の中で、150本以上の中からの20本でした!!

また、とある会員さん、今回は一言コメントまでご協力いただいて、本当にありがとうございました!!

これらの作品が2019年以降に再演されたら、僕も観に行きたいです!!

 

全ての舞台関係の皆さまに敬意を込めて――(URLや作品名は気をつけたつもりですが、間違いがあったら本当に申し訳ございません)

 

 

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