第4回発表会『三島、官能、陶酔。』

本番まで一か月半

シナリオクラブ Performance 4「三島、官能、陶酔。」のチラシデザインができましたーーー!理事長とスタッフで、あーでもないこーでもない、と奮闘しながら作りました。(主に理事長)

三島由紀夫さんが見たらなんておっしゃるかしら。とりあえず清家さんは、「いいんじゃない」と半笑いでOKしてくださいました近代能楽集―ということで、和洋折衷のイメージにしたところと、三島美学に挑戦!!!ということで、「美」のイメージ、そして混沌とした世界観が表現されているのではないでしょうかっっっ!!!

今、印刷をかけているところですので、皆さまのお手元や、劇場に置かせていただくのは、来週になる予定です。しばしお待ちくださいませ。発表会の本番まであと1カ月半。稽古にもどんどん熱が入ってきています。会員さんたちも、本番前のプロセスとして、役とご自分との接点を見つけ出そうとしたり、またセリフが覚えられない!と焦っていらっしゃったり、(本番は台本持っていいんですけど、覚えたほうが本番楽ですよ、とか言われて皆さんけっこう覚えようとなさっています)
どんどん本番に近づいているんだなあと、スタッフも緊張してきました。

シナリオクラブ第4回発表会 『三島、官能、陶酔。』 最近のビックリニュースとしましては、 この間際になって、演出・清家さんより、 「振付師に振付を依頼したよ」 って聞いて、 「ええーーー!!!ホントですかーーーーーっっっ!?」 ってなりました

清家さん、17日まで『祈りと怪物』の大阪公演があったのですが、 そこでの共演者・池島優(いけじま・まさる)さんという方がいらっしゃいまして、この方、蜷川さんの舞台などの振付などもなさるのですが、 その方を口説いた(?)らしいのです。

確かに、『卒塔婆小町』のなかに、 鹿鳴館での舞踏会シーンがあります。 その振付や、オープニングの振付をしてくださるそうなのです! 楽しみーーードキドキワクワクちょっと池島さんをご紹介。といっても、わたくしもほとんど存じ上げないので、『祈りと怪物』のプロフィールから)

池島優

北海道出身のコンテンポラリーダンサー。振付家。俳優としても活動。 蜷川演出作品では、 『ガラスの仮面 ―2人のヘレン―』『下谷万年町物語』に出演・振付、 『美しきものの伝説』劇中劇「サロメ」『身毒丸』『あヽ、荒野』『ボクの四谷怪談』の振付。 ミュージカル『ファニー・ガール』オペラ『オルフェオとエウリディーチェ』などに出演。

す、すごいヽ〔゚Д゚〕丿 『身毒丸』『あヽ、荒野』は羽子田さんも出演されていましたから、 ダンスシーンはよーく覚えています。 『ボクの四谷怪談』も激しいダンスシーン、ありましたねえ。 (羽子田さんに聞いたら、面白いし、とてもいい人っておっしゃってました) 大変なことになりましたぞ! 出演者のなかには 「えーーーやだーーー、あたしパスーーー」 なんておっしゃる方もいらっしゃいましたが、 「だ、大丈夫ですよ。たぶん」 とお慰めしておきました。 前回の発表会では、皆さんで歌を大合唱したのですが、 今回はダンス! 三島美学に挑戦! に加え、ダンスにも挑戦!!! 観に来てくださる方、ぜひお楽しみにーーー!!!!!

 

そして本番へ

2月22日。 とうとう劇場入り! 舞台稽古となりました! この日が初めての顔合わせとなるわけでして、 本番まであと2日――、 そして振付もあり、 スタッフにも緊張感がただよっています

振付師・池島優氏、キターーーー!!! のっけから振付が入ります! いやーーー、皆さんカッコイイーーー! 振付師、さすがです! 荘厳な音楽とも相まって、 これから始まるぞって、一気に厳かな空気になりました (お楽しみに!)

そして『班女』が始まって、 『卒塔婆小町』『弱法師』・・・と。 時間は短いけれど、着々と形になってくるのを目の当たりにすると、 ぐっとこみ上げてくるものがあります。 稽古は21時前に終わったのですが、 皆さん居残りで自主稽古されていました。 真剣さがひしひしと伝わってきます。 明日、もう1日稽古とリハーサルして、 あさって本番! ああ! きっとこれまで見たことない会員さんたちの表情を見ることになると思うと、 ドキドキがおさまらないスタッフです

2月24日(日曜日)

いよいよ本番当日になりました。 前日の23日は夜10時くらいまでゲネプロをしていました。 その12時間後――。 ハードなスケジュールにもかかわらず、 朝10時に、皆さん元気に集まってくださいました。 この日は開場時間の11時までは、 振付師・池島さんの振り付けてくださった踊りを確認。 清家さんから、最後の言葉をかけてもらって・・・ いよいよですね、清家さんっ! 受付には大きなお花が届いたり、 開場すると、出演者のご家族の方や、 シナリオクラブの面々もたくさん来てくださいました。

アドバイザーの羽子田さんや平尾さんも、 この日は観客席から見守ってくださっていました。 まずは、この日をこうして迎えることができて、 出演者の皆さん、観客の皆さん、清家さん、池島さん、 会員さんながら難しいプロンプターを引き受けてくださった方、 そのほか関わってくださったすべての方に感謝しなければなりません。 本当に、本当にありがとうございました。 そんな温かい空気に包まれながら、 第1部の幕が開きました――!!!!! オープニングは池島さんが振り付けてくださった「舞」から! いやーーー、もうーーー涙ーーー! 舞を舞って、客席を通って舞台に上がり、 一礼をして暗転。 一転、明るくなると――『班女』の始まり始まりーーー。

花子を愛する実子――ものすごいテンションでスタートしました! 恋人・吉雄を待ち続ける花子――切なさと儚さが美しい! 自信満々に花子を迎えに来る吉雄――カッコイイ! しかし花子は、あんなに待ち焦がれていた吉雄と対面しても、 あなたは吉雄さんじゃない、あなたの顔は死んでいる、と言い・・・ 失意のうちに帰っていく吉雄。 そして勝ち誇った実子と花子のめくるめく官能の世界が、 とってもよーく表現されていました。 そして音楽が変わって、『卒塔婆小町』。

夜の公園で、詩人が99歳の老婆と出会い、 時空を超えて恋に落ちる幻想的なお話。 このお話のいちばんの見どころは、 99歳の老婆が、ワルツが聞こえてきて、いつの間にか舞踏会の夜になると、 詩人には20歳の絶世の美女に見えるようになってしまうところ。 本当に幻想的で美しかったです 老婆役は腰を曲げているのも大変だったと思いますが、 汗だくで演じきってくださいました。 舞台袖でその方たちのやりきったお顔が印象的で、 目に焼きついています! 命をかけて老婆に「君は美しい!」と言って息絶える詩人。 その「覚悟を決めた」気持ちと、そのセリフがこちらにビシバシと伝わってきました。 第1部の最後、『弱法師』。 生みの親と、育ての親が、 盲目の青年の親権を争って家庭裁判所にいるところから。

俊徳は、5歳のとき戦火によって光を失い、 誰にも心を開かずに、 この世の終わりの景色とともに15年を過ごしていた。 この物語の最大の見どころは、 その、この世で見た最後の景色を、 調停委員・級子に語って聞かせるところ。 それはもう壮絶な光景が、三島由紀夫の文体によって描かれています。 俊徳役の大熱演で、 会場の空気がぐっと締めつけられるような緊迫感に包まれました。 級子さんも、あの人は本物の役者さんですか、と言われるくらい 落ち着いて俊徳さんの相手をされていました。 育ての親夫婦も、見事な迎合っぷり、 生みの親夫婦は、こちらも見事なあたふたっぷり、 どちらもちゃんとしっかり夫婦に見えました。 カーテンコールが終わると、舞台袖では、 感極まったお顔、抱き合うお姿、まだ次もあるという冷静なお姿、 いろいろな表情がありました。 とにかく、今回は清家さんが「怒鳴ってしまった・・・」と しきりに反省されていましたが、わたくしたちスタッフも、 ときどき発表会だということを忘れてしまうくらい、 超レベルが高い発表会でした!

第1部は約1時間40分。 瞬く間に第1部が終わって、 第2部へ――! キャストが総入れ替えとなり、 同じ演目が同じ内容で始まります。 でも、キャストが違うと、また違う味わいの作品になります。 見比べるのもまた楽しいですよーと、 2部とも観てくださる方もたくさんいらっしゃいました。 今回は、初めて2部制になり、 お客様がどれくらい来てくださるだろうか・・・と思っていたのですが、 ざっと2部合わせて170名くらいの方に観ていただくことができました。 ご来場本当にありがとうございました。 2日前からの非日常な日々も、 泣いても笑っても、これが終わればしばらくお別れです。 さあ! 『班女』が始まりました。 こちらも、めくるめく官能の世界に――!!!

いつもはとっても穏やかで優しい声の会員さんが、 ヒステリックにセリフを言ったり、新聞を引き裂いているのが、 本当にビックリするくらいいつもと違ってて、 この幕開きにもドキドキさせられました。 こちらの花子さんは、ずっと微笑んでいて、 なんだかお花畑を想像させられました。 花子を迎えに来る吉雄さんも(女性だけれども)超男前ーーー 三島の世界観がよく描かれていたのではないかと思います! 『卒塔婆小町』。

こちらも、素晴らしかったですーーー! こちらの老婆は、ただの老女というだけでなく、 さらに怪しい雰囲気がありました! すっごいなあ! 詩人役は、言葉にすごく説得力があり、 世界に引き込むのが上手いわあーーー! と思って観ていたのですが、 終演後の打ち上げの席で、1人の詩人さんが、「上手く言えなくて悔しかった!」 と悔しがっていたのが驚きでした。 詩人にしか見えなかったのに・・・ この感覚は凡人が理解不能な、トップクラスの方が何かを究める感覚と同じなのでしょうかね。 その悔しがりに・・・拍手! そして最後の演目『弱法師』。

こちらの育ての親夫婦を演じたお2人もすごくよくて! 「どうせごまめの歯ぎしりなんだ」 って言うセリフが耳に残って仕方ありません! 生みの親夫婦のお2人も、素敵でした! 母親役の方の初舞台ながら思いっきりのよさにはホレボレしちゃいました そして2人の俊徳も、 第2部は第2部でこれもまた素晴らしくて! 世界の終わりを語るシーンのセリフは、本当に胸に突き刺さってくるように、 情景が目に浮かぶようでした! こうして官能と陶酔の時間は過ぎてゆき、 あっという間にカーテンコール!!!!! 舞台袖にいたわたくしは、 お一人おひとりにお礼を申し上げたい気持ちで、 笑顔と涙とが入り混じった表情を、 とても幸せな気分で見ることができました。

やりきった感も、悔しさもあったと思いますが、 それはまた次の発表会で―― どんどんレベルアップしていくシナリオクラブ発表会! 次はどんなステージになるのでしょう! 皆さま、どうぞご期待くださいね!!!!! ただ・・・ 2日経ったいまも、音楽がまだ頭のなかで鳴っています・・・ わたくしの陶酔はまだもうちょっと覚めそうにありません・・・ もうちょっとこの官能の世界に浸っていようと思います。 皆さま、本当に本当に、ありがとうございました

スタッフブログに戻る