スタッフ竹森です。
前回コミケでゲットした舞台監督についての本のレビュー!!
この本は、商業劇場の裏方でプロとして働いている沢田裕位さんが書かれた本です。
沢田裕位
東京多摩市在住。網走の大学を卒業後、就職したゲーム会社がすぐ倒産…その後、現在の劇場で働きはじめる。
プロ仕事では、芝居はもちろん、オペラ、ミュージカル、古典芸能…女の園から男の園までほぼオールジャンルの公演に関る。また、プライベートでは地域劇団、子供劇団、学生演劇の指導、フォロー、アドバイスを行う。一部SNSではガムテフィギュアやナノブロック劇場の作者で知られている。
今回は、舞台監督Rと続舞台監督の2冊です。ざっくりと内容を説明すると「漫画で分かる舞台裏方の本」という感じ。
・舞台監督R
目次はこんな感じ。公演決定前~稽古の開始、本番の舞台~解体までの話を、舞台監督目線で説明してくれている漫画本。
・続、舞台監督
こちらも目次。舞台監督の視点から、照明、音響、大道具、小道具の人たちとどのような連携をとればいいかを書いてある本。
実際に2冊とも読んだのですが、内容がめっちゃ濃い!!
プロが執筆している本なので、専門用語の解説や、裏方のお仕事についてびっしりと書いてあります。そのため、漫画本だけど「気軽に読もう」といった本ではなく、腰を据えてじっくり読む本です。漫画本だけど濃いよ!!
シナリオクラブで時々裏方をやっているのですが、この本に照明や裏方をやっていたあの時の疑問が大体書いてる!!そういう時にほしかった、痒いところに手が届く本です。
というわけで、今回は舞台監督Rおよび、続、舞台監督の本について。
・舞台監督Rについて
まず、「舞台監督って何をするんですか」って方に向けている本なので、舞台監督についてめちゃくちゃ載っています。
公演の決定から撤収までの舞台監督の仕事を中心とした本ですが、それ以外にも見どころがいっぱい。
・何度も言うけど、充実した内容。
「舞台監督R」は舞台監督のお仕事の解説中心なのですが、それ以外に、
・現場でどう動けばよいか
・何を知っていればいいのか
それらを具体的に書いてあるマニュアル本でした。
例えば、バミリ(テープの目印)についてのページでは、具体的なやり方、公演によってバミる目的などを解説。使うテープの種類など、細かい部分についても言及しています。
舞台用の器材調達は、借りる場所、方法、それぞれのメリット、デメリットなどが詳しく書いてある。また借りる方法についても詳しく書いてあります。
ゲネプロや、通し稽古の回では、公開通し稽古のスタッフの気持ちなど、プロの経験に基づいた細かい解説が入っています。
これ一冊で公演決定の打合せから舞台公演の終了までのマニュアル本といってもいいくらい。よく90Pに収まったな・・・と思う内容。
逆に言うと、1ページの情報量がかなり多いので、最初から全部読もうとすると大変かも。
一冊備えておいて、困った時に、この本を観て進めていくと、ものすごく役立つのではないかと。
持っておいて損をしない良い本です!!
・続、舞台監督について
こちらは舞台監督と、照明さん、音響さん、大道具さんなどの関わりについてのお話。
音響さんや、照明さんの器材の話だけでなく、暗転の時、どうやって大きなものを撤収しているのか、また、どうやって雪や花を降らせたりしているのか、スモークには何が必要なのかなど、裏方さんの仕事っぷりがとても丁寧に解説されています!!
照明のお仕事の解説を観ていると、あの日に戻って「照明って大変だぞ!!」って自分に説教したい・・・
音響さんの仕事についてもめっちゃわかりやすい。
個人的に勉強になったのが、小道具の作り方や、消え物の考え方。なるほどなぁ~と勉強になりました。
続、舞台監督は、
・舞台監督以外がどんな仕事をしているか
・舞台監督が、どう関わっていけばいいか
といった部分に焦点を当てた本です。
こちらも1ページごとの内容がめっちゃ濃いです。読み進めると「全然知らなかった!!」「めちゃくちゃ勉強になった!!」というものばっかりで、勉強になりました。
この2冊とも、プロの方が経験に基づいてきたものを本として作っているので、僕みたいな右も左もわからない人はとても有難くて、オススメできる内容です。
このシリーズ、照明編や音響編、大道具編とかあったらほしいなと思ってしまう。
・まとめ
今回取り上げた、「舞台監督R」「続・舞台監督」ですが、通販やお問い合わせは、沢田さんのメールからできるそうです。
沢田さんのメールアドレス tacoyaki8co@gmail.com
「舞台の裏方を行いたいけど、右も左もわからない。」という方に向けたいい本でした。
正直な話、ものすごく役に立った教本なので、kindleなどで電子書籍化などしてくれないかな~と思っています(チラチラ
次の回では、「演劇はじめました」を紹介したいです。
演劇の練習方法やワークショップなど、色々な情報が盛りだくさんです。