この前、鍜治本さんのRadiotalkにて聞いてました。
改めて『演劇稼げない問題』を考えてみる
https://radiotalk.jp/talk/5329
前回のプロモの話と内容が若干かぶるのですが、今日はこの話についてよくわかる。その上で何故「知名度が重要なのか」というお話、そしてプロモーションは命かけたほうがいいというのが今日の雑談テーマです。
興味ある人は絶対に聞いたほうがいい内容です。
1.演劇は稼げないのか
舞台の稼ぐと言うのは、「演劇やってて大豪邸を立てました!!」みたいな一獲千金みたいな話でない。
みんなで一生懸命やっても、舞台だけではギリギリ食べていくのがやっとという構造上の問題の話。
鍜治本さんが言ってたように
・役者は一ヵ月みっちり稽古(バイトなどもできない)
・本番は多くの人が関わる(舞監、音響、照明、裏方スタッフなどなど)
・収益の回収手段はチケットとグッズのみ
・ドームコンサートやライブイベントと違って一度の収容人数の上限値が低い
・収益を改善するには、チケット代金を高くしなければならない
・チケット代金が高ければ、相対的に他のエンタメと比べて割高に感じてしまう
この辺りが僕の意見も加えた演劇の構造的な問題です。
これらを考えると、舞台一つで何もかもするにはコスパが悪いという話になります
2.演劇の構造上の問題は改善できる?
この「コスパが悪い問題」改善しようとすると単純に
・舞台に関わる人手を減らす
・ネット配信などの手法で観客数をぐっと増やす
・チケットやグッズ以外の収益を作る
・補助金などで収益を賄う
ざっくりとこの四つになるかなと。
とはいえすでに劇団が行っている施策だと思うので、これを行ったからといって現状の劇的な改善は難しいのかなと。
3.知名度で根本的な解決ができるのかも。
鍜治本さんが言ってたように、演劇の構造上の問題を根本解決する手段の一つが知名度です。
知名度が低いということは知られていない事なので、鍜治本さんがラジオで言ってたように、
知られていない=届く先が限定される=広告能力の低くなってしまう=スポンサーつかない
という負のスパイラルに入ってしまいます。
そしてこのスパイラルの突破は容易ではない。
逆に言うと、知名度が高めて負のスパイラルを断ち切れば、人が集まり、よりいい施策が打ちやすい。
・ネット配信を見てくれる人がぐっと増える
・チケットやグッズだけでなく関連商品の売り上げが増える
という流れになるのかもしれない
じゃあ知名度を上げるにはどうすればいいのか。
単純に
a.出演者や公演の知名度が高い
b.観客に「知名度が高い≒影響力がある」人が来ている(インフルエンサーマーケティング)
という手段があるかなと。
ただし、前者は超人気役者にオファーするのはものすごく大変だし、後者はステマや炎上の可能性だってる。
また、自身のところだけで完結するのも難しいです。
自分のところの役者が超有名だけども劇団が売れてないというケースは見たことがない・・・・。
抱えている俳優を超有名にするには、鍜治本さんがラジオで言っていたように、舞台に携わって作品を作るだけでなく、露出増やしたり、メディアに出演したりと多方面に向けて活動しなければならない。
「知名度を獲得する」と言葉では簡単に言えますが、実際は血のにじむ努力と覚悟と、さらに運まで必要です。
そして、インフルエンサー場合は、前提条件として
・自分の作品が客観的に見ても素晴らしいものに仕上がっている
・その分野できちんと信頼できる有名な人に見に来てもらう
これらを満たさないとダメかなと。
単純にフォロワー数が多い人に宣伝してもらっても意味がなく、ステマと言われる可能性、炎上の危険、インフルエンサーの選択ミスなど様々なリスクがあります。
インフルエンサーの宣伝って成り立つの?
インフルエンサーの背景には
1.現代は情報量過多
2.自分一人では情報の正誤の判断が難しい
3.レビューなどの集合知が判断の指標
4.多くの人に指示される方は、その人の評価が判断の指標
という現代ならではの問題解決方法です。要は「あの人が言うなら正しいだろう」的な。
これってうまく利用するのがめちゃくちゃ難しくて、金銭的なやり取りがあったら「ステマ」と言われて糾弾される可能性があります。
金銭的なやり取りが無かったからと言って成り立つかというとこれも難しい話です。
知名度があっても着地点は必要
めちゃくちゃ良いものが出来て、超有名俳優をキャスティングや、インフルエンサーから口コミでバズっても、そこからの戦略は絶対に必須です。
以前のブログでも言ったように、観客数が限られています。
・ポケモンGOはすぐにダウンロードできるアプリだからメガヒットした。
・カメ止めは、どこの映画館でも公開されたのでヒットに拍車がかかった
あくまでもヒットして終わりではなく、ヒットした上でどう後続につなげていくかが重要な気がします。
でないと、舞台だけでは結局大多数の人が観に行けず、観に行けない人間が多ければ多いほど口コミの機会損失も多くなってしまいます。
一過性のブームで終わらせないためには、機会損失してしまった人をどうフォローしていくかが重要かなと。
そしてその方法はただのオンライン配信ではダメな気がします。
機会損失した人がオンライン配信などを見て「思ってたほど良くなかった」と思わせたら負けじゃないかなと思っています。