スタッフ竹森です。
2月から稽古が始まった、「劇団 月のシナリオ」の旗揚げ公演「傑作 牡丹燈籠」
千秋楽を迎え、大盛況のうちに幕を閉じました!!
今回の公演、怒涛の4日間がどのように始まって、大盛り上がりしたのかを振り返っていきます。
5月30日、劇場入り
午前中に音響および照明の仕込みがスタート、スタッフは舞台設営をしました。
スタッフの仕事としては、
・小道具や衣装の搬入
・置き場所の確認
・舞台袖の動線の確認
・楽屋づくり
・舞台作り
などなど。
そして午後から練習スタート。この日は「場当たり稽古」の日。
ちなみに「場当たり」とは
お芝居では、いつ、どこで、何を、どうするか、俳優だけではなく、
照明・音響・大道具・小道具なども、当然すべて決まっています。
これらのきっかけの確認、俳優の立ち位置、道具を含む「出」「ハケ」などを、
本番と同じような状況で確認する稽古を「場当たり」と言います。場当たりでは、芝居の確認は行いませんので、
裏方のきっかけが無いところは飛ばして行います。
というわけで30日は、「きっかけ」以外の部分を飛ばしながら、本番に近い形で舞台へ臨みました!!
一日目は、さすがに皆さん緊張していました。僕も緊張でガチガチ・・・。
劇場は、稽古場とは違って緊張感もあり、距離感や雰囲気が別物です。
そして、この日は久々の全員集合です。稽古の始まりは、オープニングとエンディングからスタート。
僕もスタッフとして、出演者として、登場のきっかけや集まる時間などをなるべく頭に叩き込んでいました。
楽屋では、皆さんの緊張感を肌でヒシヒシと痛感します。劇場入りは、今までの稽古の比ではないくらいの「本番が近づいてきた」プレッシャーがありました。
舞台公演は楽しみだけども、同時に「セリフ忘れたらどうしよう!!」という恐怖感とプレッシャーとの闘い。
僕は、生まれて初めての「出演者として」の緊張感。
この日は準備でき次第、暗転のきっかけ、音楽のきっかけ、暗幕の調整などを、約6時間かけて、綿密に確認。
31日の最後の稽古、そして本番の公演に向けて、否が応にも期待が高まるのを肌で感じました。
5月31日、ゲネプロ
この日は「ゲネプロ」と呼ばれる、本番と全く同じ形で行われる、最後の稽古です。
朝から現場入りする皆さん。
小道具をチェックする方。
セリフをチェックする方。
舞台上でシミュレーションする方。
段取りを確認する方。
皆さんが、思い思いに公演に向けて集中力を高めていきます。
開場から、全段取りを確認し、エンディングまで、丸一日かけての稽古。
泣いても笑っても、これが最後の練習。
4か月間練習してきた集大成を最終チェックする時間です。
劇団月のシナリオの公演はたった2日間。
4か月の集大成は、この4公演の中に凝縮されてるんだなと。
ゲネに入ってから、少しずつ芝居の深さを増していく方々。
全体練習から、一味も二味も違う皆さん。
前日の遅くまでの場当たりや準備の疲れなどを微塵にも見せない皆様のすごさを感じました。
6月1日、公演初日
いつもなら、初日にして千秋楽。一日限りの公演で終わるのですが、今回は二日間公演があります。
まさに4か月間の集大成!!
そして出演されている皆さんが、ここで全てを使い果たすくらいの勢いでの芝居でした!!
原作の牡丹燈籠から校正した、和製シェイクスピアと言ってもよいほどの、敵討ち、恋物語、そして「人間の業」
総勢40人以上の方が、清家さんの演出のもと、全熱量をぶつけるすさまじさ!!
3時間というとても長いお芝居の中、ほぼ満席、そして様々なメッセージをいただきました!!
6月2日、千秋楽
これまでの練習を、たった二日間に込める。その千秋楽が6月2日です。
4か月間の稽古の集大成を二日間で濃密な形にして、すべて出し切る。
全力で演じる千秋楽です。
清家さんからも「二日落ちという言葉もありますが、ここが千秋楽です。皆さんなら大丈夫だと思いますが、気合入れていきましょう」
(二日落ち※初日が緊張の中無事終わり、ホッとした二日目に思わぬ失敗をしたり、緊張感のない芝居をしてしまう事。)
週に2回の稽古を行って、4か月続けて、自分に何ができるのかを考え続けて、
そして、最後の千秋楽。
6月1日にできなかったこと、悔いが残ったこと、それらをすべてぶつけます。
その熱演たるや、凄まじいものに。
千秋楽はお席がやや余るのではないかという話も出ていましたが、そんなことはなく、ほぼ満席!!
2日間、4公演ともにほぼ満席の中、全力を尽くす出演者の皆様。
そして最後は、拍手喝さいの中、公演終了!!
4か月の成果を二日間に賭ける、まさに花火のような煌びやかさと儚さが、芝居の公演にあるんだと痛感しました。
終焉後のロビーの様子
終焉後、清家さんから
「今までたった一日しか公演しなかったのが、もったいないなかった気がする。もっとやればよかった」とのこと。
本番を含めた四日間、本当に尊い時間でした。
公演の反響
この「傑作 牡丹燈籠」ですが、公演後に本当にいろいろな反響をいただいています。
劇団月のシナリオ旗揚げ公演
「傑作牡丹燈籠」teamA観劇
恋焦がれるのも恨み倒すのも執着心という意味では同じものなのかもしれない。舞台に立たれている皆様からは「演じることへの執着」がものすごく伝わってきてゾクッとしました。— 暁‐あかつき‐ (@akatukiooo) 2019年6月2日
三鷹にて、劇団月のシナリオさんの「傑作牡丹燈籠」を観てきました。
物語の運びが分かりやすく、面白かったです。伴蔵役の方凄いなーと思ったら、演出もされていた!
実はお友達が出演されていて、新たな一面が観れた点でも楽しめました\(^o^)/ pic.twitter.com/rlVJ6PdFSK
— トミ子 (@tmcts) 2019年6月2日
昨日見た3時間の芝居「牡丹燈籠」で舞い上がった気持ちが少しずつ地面に降り積もって形が見えてくる。古典を客観的にとらえるってなかなかすごい体験。刀で斬って強引に片づけることが多いとしても、女性であり母であるおりえさんの自害は何かしらの突破口なのではないかと。 pic.twitter.com/FMqV4uxb3S
— 武田祐子 (@NWZ97cnMUNFteAr) 2019年6月2日
さらに、ブログでも牡丹燈籠を取り上げていただきました!!
「牡丹灯籠」というと、あの怪談の部分しか知りませんでしたので、こんなに深い人間の業の物語とは。
当日パンフで構成・演出の清家さんが書いていますが、確かに「和製シェイクスピア」でした。構成が素晴らしく、役者のみなさんの力演もあって長丁場がまったく飽きない面白い舞台で大いに楽しみました
40人余りで作り上げた、たった2日間だけの特別上映。
そしてその短い期間で、すべてを出す、魂を燃やし尽くすような芝居。
これこそがシナリオクラブでしかできない、特別な舞台だなと感じました。
公演が終わった後、皆さんが燃え尽きていましたが、すごくよくわかります・・・。
僕も燃え尽きました・・・。
でも次の公演が待ち遠しい。これが演劇の中毒性であり、辞められない理由なんだろうなぁ。