こんにちは。竹森です。
コロナが報じられてからすでに一年が経とうとしていますが、いまだに猛威を振るっています。
北海道ではGoToを取りやめようか・・なども検討しているらしい。
200人感染北海道 “時短要請”ススキノから悲鳴 「ステージ4」基準も到達…移行ならさらに生活制限へ
コロナの終息はいつなのかという話をよく聞きますが、ウィルスとの戦いで初めてかつ唯一勝利したのは天然痘だけ。
今後はWithコロナという、コロナとどう付き合っていくかという新時代のフェーズに入っています。
しかし、コロナが怖いということで外出自粛している人は多い・・・。
コロナ禍の外出自粛が我々に与える影響
外出自粛によって、コミュニケーション不足から閉じこもりがちになったり、鬱になったり。中には認知症が気づかぬうちに進んだりするケースもあります。
東洋経済では外出自粛が招く認知症なんて記事も。
リアルに人と会って会話するということは、脳を活性化します。逆に、人と会わないで家に閉じこもっていると、脳への刺激が著しく減ってしまい、認知症のリスクを高めるのです。
認知症は自覚症状が薄く、気づかぬうちに進んでいたりする恐ろしいものです・・。
一方で、自覚症状が明確にあるものがあります。
その一つが誤嚥や飲み込みについて。
今回は、外出自粛によってコミュニケーション手段が絶たれてしまい、それが及ぼす影響を、飲み込みの悪さやそこからくる誤嚥性肺炎といった部分から考えてみます。
誤嚥の怖さ
コロナ以前までは、肺炎というものは名前は知っているけど実感はないという人も多かったはず。
また、今回肺炎=コロナという図式が出来上がってる人が多いのじゃないだろうか。
肺炎はコロナだけじゃない。色々な肺炎がある。
しかし日本の死因の5位と7位が肺炎なのは意外と知られていない。
出典:厚生労働省「平成30年(2018)人口動態統計月報年計(概数)の概況」
コロナ前の2018年だけでも9.7%の人、つまり13万人以上の方が肺炎で亡くなっています。
有名人の方でも肺炎で亡くなる人は多い。
肺炎の原因はウィルスや細菌によるものと、気道から肺に異物が入って起こす誤嚥性肺炎が代表的です。
肺炎が厄介なのは風邪の症状と似ているけど、風邪よりも長引くし、風邪と勘違いして気づかなくて重症になりやすいことです。
誤嚥性肺炎は、喉周りの筋肉の衰えと関係がある。
多くの人は誤嚥性肺炎になじみが薄く、医療関係者でも「寝たきりの人がかかる病気」みたいなイメージの人が多い。
しかし誤嚥性肺炎まで行かなくても、うっかり気道に飲み物や食べ物が入る「誤嚥」は身近で起こる。
むしろコロナを恐れて出かけない、誰ともコミュニケーションをとらない生活を送っていると、コロナによる肺炎よりも誤嚥による肺炎のほうが可能性が高くなります。
コロナにかかって肺炎で死にそうな思いをしたというのは、テレビでよく話題にわかりますが、コロナを恐れて家から出なくて誰とも話さなくて、結果的に喉周りの筋肉が衰えてしまい、ふとした拍子に誤嚥してしまって・・・・なんて話は誰も気にもとめないし、ニュースにも出てこない。
何故外出しない事と、誤嚥性肺炎が関係するのか。
基本的に人間の筋肉は使わなければどんどん衰えます。喉や舌や口周りの筋肉は、食事以外に会話などでも使います。
当然、コミュニケーションもせず、食事だけしていると、喉、口、舌と衰えていきます。
それらの筋肉が衰えたら、料理を噛み切れなくなったり、飲み込めなくなったりすることが増えてくる。(お餅なんかとっても危険です)
そのうちうっかり誤嚥(気道に食べ物や飲み物が入る)してむせ返ったりすることが増えてくる。
加えて年齢を重ねると、気道に異物が入ってもうまく吐き出せなくなります。
これが誤嚥による炎症や誤嚥性肺炎の原因になったりするわけです。
さらにもう一つの要因として、外出自粛などで家の中のこもりきりになると、口周りや喉だけでなく全身がどんどん衰えていく。
人間は楽な方に進む生き物なので、疲れやすくなったら、無理するよりも休みます。
すると余計に体が衰えてくる悪循環ができてしまう。
いままで元気だった年配の方が、骨折などで入院後、あっという間に寝たきりなってしまったというのは、この悪循環に入ってしまったからです。
この悪循環に入ってしまうと、寝ている時間のほうが圧倒的に多くなってしまう。
論文では、眠っているとき、さらに肉体が衰えて寝返りが少ない時に誤嚥しやすく誤嚥性肺炎につながりやすいといった記述もあります。
年配の人が誤嚥するとどうなるのか。経験談を聞いてみた
僕もたまに気管に水が入ってむせることはあります。ただ気管に入っても、むせて吐き出して終わる。
しかし、年を取った方の場合は、そのまま気道の奥に入って炎症を起こしてしまうこともあるらしい。
中には誤嚥にすら気づかないケースもある。
今回お話を聞いたのは、誤嚥を経験し、肺炎にはならなかったものの大変苦しい思いをしたことがある方。
ちょっと飲み込みが悪いなぁと油断していたら、誤嚥してひどい目にあった。そんな経験談です。
「喉に異物感が一週間続いた」60代女性。Aさんの場合
気管に物が入ったの状況ってどんな感じだったんですか?
ちょうどテレビを見ながらスポンジケーキを食べていた時でしたね。
笑いながら見ていたら、ふとした拍子に気管に小さなケーキのかけらが入って、ものすごくむせてしまって・・・。
その後一週間以上、胸のあたりに違和感がありました。
うわぁ・・。そういうことって以前からあったんですか?
ここ最近ですね。体感ではコロナが流行るようになって外に出なくなった辺りからですね。
今までも少しむせることがあったのですが、人と話さなくなってからでしょうか。口のまわりの動きが悪い感じがするんです。
口の周りの動きが悪い?
例えば、ある文章を口に出すときに頭でその文がわかってるのに口からでなかったり、途中で噛んでしまったり。
私、書類の付け合わせ作業をすることがあって、それをほかの人とやるんですよ。
その時、ちゃんと読めているのに言葉がでないということがありました。
コロナであまり出かけなくなってからひどくなったような・・。
誤嚥する前は前兆があったのですか?
前兆なんてなかったですよ。食べ物を呑めなくてむせるなんてまさか。口の動きが悪いなと思ってた程度でまさか自分がそんな食べ物が入って、一週間以上苦しむなんて・・・・。
Aさんはその後、自分の口まわりが弱っていると考え、声出しや音読を始めて、以前のような飲み込みの悪さは無くなったそうです。
一週間も体に違和感があると聞いた当初は「そんなこと本当にあるの??」と半信半疑でしたが、本人は本当にもやもやと嫌そうな感じ。
また誤嚥したら、今度こそ肺炎になるかもしれないと気が気でなかったそうです。
「よくむせるので、定食屋には行けなくなった」60代男性、Bさんの場合
Bさんはしょっちゅうむせるとのことでしたが。
はっきり言って、最近より一層むせる機会が増えた気がします。
しかも今はこの状況でしょう。
むせてゴホゴホ言っているのか、コロナでゴホゴホ言っているのか周りから分からない。
下手に外食中にむせると周りから白い目で見られる。
大変な世の中になったものです。
最近定食屋でむせて大変なことになったとか。
むせるって、なんかパサパサのものや水でむせるって言うじゃないですか。
私の場合はもっと違ったんです。確かカキフライとごはん。
しかも口にたくさん入れたとかじゃなくて、普通に食べてたんです。
普通に食べてたら突然気管に入った。
けれど定食屋だから、そこで激しく咳なんてできない。
ボロボロと涙を流しながら店を出て、咳き込みました。
大変でしたね・・・。
私自身、「こんな普通のものが気管に入ってむせるの!?」ってびっくりしましたね。
でも、むせてひどい目にあっても、気をつけようと思うのは一瞬で、しばらくすると過ぎたことになっちゃうんです。で、またやらかしちゃう。
誤嚥って兆候もなく突然食べ物が気道に入る。防ぎようがないですよね
何か予防的なものはしないのですか?
コロナ前によくカラオケいってて、そのころはむせるとかなかったんですよ。
コロナ騒ぎで、カラオケに行けなくなった辺りかな。
よくむせるようになっちゃって・・・。
なんとかしたいんですよね。
どうやったら予防できるのか?
誤嚥も認知症も音もなく忍び寄ってきます。共通するのは人とのコミュケーション不足、声を出す機会が無くなったということ。
しかしシナリオクラブのレッスンに通われている会員さんに話を聞くと、80代でも最近誤嚥を経験した方はあまりおらず、元気な方がバリバリいる。
普段から手洗いうがいをしっかり行い、シナリオクラブでガンガン声を出して台本を読んでいるのが良い方向に影響しているに違いない。
こんな記事をみかけました。
普段できる予防としては「大きな声を出す」「よく喋る」「よく笑う」これが大事なの。そうやってのどちんこを動かす。咽頭の運動をすること。医者の先生から言われたよ「マムシさんが元気なのは、いつも大きな声で喋って笑ってるからですね」って。
「のどちんこ鍛えておかなきゃな」毒蝮三太夫、国民的作曲家の筒美京平さんを偲ぶ
毒蝮三太夫さんなんか84歳なのにバリバリ元気です。
衰えた喉や口、舌を使うには、しゃべって、笑って大きな声を出す、コミュニケーションをとるのが一番良いわけです。
このコロナ禍でコミュニケーションをとる方法は限られている中、ただ普通に一人で「のど体操の健康体操」なんてやっても楽しくなかったりする。
継続しようにも三日坊主で終わっちゃう可能性が高い。
楽しくレッスンをしよう。楽しく声を鍛えよう。それがシナリオクラブ
シナリオクラブはもともと楽しみながら演劇を行う場所です。
このコロナ禍で色々と大変でしたが、今は徹底したコロナ対策を行って安心して皆さんが通える環境に切り替えました。
またコロナ以後、会員さんのレッスンの受け方も変わってきており
・台本をひたすら読む方。
・一人語りをする方。
・世間話をする方。
・自分の身の上を語る方。
など、ただ演劇をやるだけではなく、色々なケースが増えてきています。
人間は生きがいがないと気持ちが滅入ってしまう。人とコミュニケーションをとらなければ心が死んでしまう。
そのためコロナ禍でふさぎ込んでしまった人が、うちに来て元気になってくれたらいいなと思っています。
そんなわけで、最近「いきなり演技はちょっと・・・」「一人で始めるのはちょっと・・・」という方向けに
みんなで始めるピラティスやヨガのようにオンラインでできる、月4回、1回1時間のクラス
「声トレ・家トレ」
というものも始めましたのでぜひお問合せください!