二週間のイベント自粛!国の支援は?何故保険が使えない?保険のプロに掘り葉掘り聞いてみた。

Yahooニュースに出てました。

首相、大規模イベント中止・延期を要請へ 3月中旬まで2週間

政府が方針を発表。ただし「要請する」なのでまだ要請はしてない。

我々のほうでも、稽古、絵本読み聞かせ、ミュージカルイベントなどを中止していってます。

さらには、学校も全面休校へ。

安倍総理の臨時休校要請を受け文部科学省が会見「部活動も自粛を」

ディズニーすらも臨時休園へ・・・。

ディズニーランド&ディズニーシー、29日から3月15日まで臨時休園

これ、どうなっちゃうんだろうか。中止した後に何らかの補填があるのだろうか。

というわけで今日は国と保険の話だけど、メインは保険です。

<目次>
国からの支援
・国が言う自己責任
・舞台公演と経産省
保険の話
・興行中止保険はコロナはダメなの?
・保険はどこまで対象?
・コロナ保険は今後出てくるの?
簡単なまとめ

国からの支援

・国が言う自己責任

西川貴教さんが言ってました。

イベントって、大規模になればなるほど中止の判断が難しい。

裏で何十人何百人と動いていて、その人件費、準備費などなどが、イベント動員する観客の皆さんで賄われているわけですからね。

主催側は、中止すればすさまじい赤字になります。そういう意味ではなるべく開催したい。

しかし、だからといって開催したが故に「感染源になりました」となったらその後に大炎上するのが目に見えてる。

どっちに進んでも地獄です。その上開催するのか中止するのかのガイドラインが無ければ、全て自己責任。国は「要請」しているけど強制力はない。責任取ってくれません。

・舞台公演と経産省

小規模劇団の舞台公演はイベントほど規模が大きくないかもしれないがキツイ。

経済産業省が支援してくれるこれ↓

基本的に対象は法人のみ。

「1.徹底的な資金繰り支援」の「②セーフティネット貸付」のみ、一般社団法人なども対象らしいですが、基本は融資なので返さなきゃだし、そもそも法人化してる団体がどれだけいるのか。

政府の方針では、この2週間、イベント中止、延期してほしいとのことで、この間に開催される舞台公演は、場合によっては中止せざるを得なくなる。

早稲田どらま館はすでに施設の利用停止が始まってます。

劇場が利用停止となれば公演はできなくなる。そうじゃなくても、主催が判断して公演中止にするとこだってある。

ところが上記のように法人化してなければ支援は受けれない。

赤字を食らったら、そのまま懐に大ダメージ。これがきっかけで小規模な劇団がどんどん淘汰されていく可能性もある。

永江さんのツイートみたらこんなトンデモ案件もあるらしい。ホラーです。

というわけで、今後、国に何らかの補填をしてもらえたらいいなぁ。

でないと経済も文化も滅びてしまう。

そして、興行中止保険も今回は払われないらしい。何故なんだ。

イベント中止保険、新型肺炎は補償外 主催者泣き寝入りか

この辺りの事情をプロに根掘り葉掘り聞いてみました。

保険について

登場人物


竹森 裕哉

保険に関してはほとんど知らない一般人。最近生命保険に入った。

関根さん

株式会社エイトの保険屋さんで保険に関してベテラン。

乗馬の件でも非常にお世話になっている方。

興行中止保険はコロナはダメなの?


国に頼ってられないということで、保険なのですが、コロナの場合は保険が適応されたりされなかったしてるのは何故なんですか?


まず、保険の場合は約款※に書いてあることが重要です。

※約款:保険契約の内容がまとめてある書類。

もう一つ、たとえコロナであろうとも、何であろうとも、やるかやらないかの判断を主催者側(保険契約者側)で判断して自主的に公演を取りやめた場合は基本的に保険がおりません。


約款がめちゃくちゃ大事。


えっ、自主的にとりやめたら保険下りないんですか・・・?


今回イベントを自粛して中止にしているところは、基本的に保険がおりません。


主催者の判断で中止したものに保険がおりるようにしてしまうと不正ができてしまうんです。

例えば、あるイベントを主催したけど観客動員数がそんなに見込めない場合、「じゃあ保険を適応して開催を中止してしまえ」みたいなことも簡単にできてしまいますからね。

もっと悪いこと言えば、チケット代を返金せず、中止にして保険を使うなんて悪いこともできてしまう。


そうなのか・・・・

じゃあ、適応になるケースは?


たとえば、自然災害により、会場が物理的に使用不能になったり、今回の場合は「会場が利用停止になりました。政府が開催禁止の通達をだしました」みたいな契約者の判断以外の要因によって開催できない場合になります。

もちろん、それを証明するために、様々な書類の提出が必要になると思います。

台風や地震が適応するのは「外的要因によって開催ができなくなった」に該当するわけですからね。

あとは約款に書いてあることによります。

SARSが流行ったあと、SARSの被害を受けた場合は保険が下りるオプションを約款に加えたところもありますね。

何にせよ、今回の「要請」では、保険がでません・・・。


現状の「やるかやらないかが自己責任」っていう状態が一番つらいんですね・・・。

自主的に中止にしても補填は無い。やろうとしたらできる・・・。

政府もイベント禁止って言わないんでしょうか


その辺りの事情はわからないのですが、禁止にしたら、自治体などに対して保証や補填で大変になるのは目に見えてますね。


なるほど・・・。

保険はどこまで対象?


じゃあ、仮に興行中止保険がおりたとしたら、どこまでが対象なんですか?


約款によりますが、会場の設営費用やそのための広告宣伝費やスタッフ人件費などですね。

たとえば「チケット○○枚売り上げたけど中止になったので、チケット〇〇枚分の売上」なんていうのは保険の対象にはなりません。


あくまでも、そのイベントを準備するまでに使われたお金がメインなんですね。


舞台公演などで「公演当日まで役者さんが練習した人件費」なんてのは、契約状態によって保険がおりたりおりなかったり。その辺りはグレーラインです。

契約大切・・・!!


うわぁ・・。公演中止になったら役者さんキツイ・・・。


役者さんの場合は個人事業主の方がそれなりにいて、一人親方みたいなものですからね・・・。

コロナ保険って今後出てくるの?


コロナでこれだけ騒がれたら、コロナの保険って出るんですかね?


保険って、作れるんですよ?


え、そうなんですか?


保険って、なんらかのリスクがあって、それを保険組合のロイズってところが受けてくれれば作ることができるんです。

「モラルリスク」というのがあります。

モラルリスク

モラルリスクとは保険業界用語で保険金、給付金の不正取得を目的とする道徳的危険である。和製英語。

これは、保険作る側にもあって、例えば、「何らかの保険を作って、保険料をがっつり集めたけど、その保険をやっぱりやめました。」

なんていうことができないようにしてるんです。

そして、こういった悪徳じゃなければ保険って作れます。

コロナに対する保険を作ろうとすると、加入者を集めた場合、大数の法則でどれくらいの割合で実際に保険金を支払う人が出るのか、おおよそ分かるんです。

そして、保険料と保険金支払いの兼ね合いができたら、保険組合のロイズに申請します。

ロイズが受けたら、保険として成り立ちます。


なるほどー知らなかった・・・。


余談ですが、保険の仕組みについて。

保険には債権があって、例えば3000万の債権だったとすると、それをアラブの石油王や貴族が買うんです。

何も起きなければ、その買った債権の何パーセントかが毎年彼らに入ってきます。

しかし、何かが起きた場合、みんなの保険金を払うために、債権をはるかに上回る金額を払う必要があります。

その時に貴族ならば土地を売り、石油王ならオイルマネーでそのお金を補填する。

なので貴族や石油王にしか債権が買えないのです。


勉強になります。

とはいえ、毎年何十万も出して保険には入れないっす・・・。

ちゃんと保険として役に立つけど、そこまでお金を出さなくて済む保険はないのですか?


ないですね・・・。やっぱり興行中止保険に入っていないと。

あとは主催が自治会の場合、「自治会活動保険」というやつがあります。

民間の保険会社がやっている保険ですね。


それってどれくらいで役に立つんです?


約款にもよりますが、何らかの理由で公演中止になったら、その準備費用などは出ると思います。

あくまでも、主催が自治会だった場合ですが・・・。

役者さんの給料などは、雇用形態と約款によるので、保険は約款を読みこんだほうがいいですよ。

簡単なまとめ

保険に関していうと

・主催者側判断での公演中止は保険料が支払われない

・保険料で支払われるのは会場費および準備費。役者の給料などはケースバイケース

・コロナ保険は今後出てくるかもしれない

・やっぱり劇団公演で保険を使うには、興行中止保険くらいしかない。

といったところです。

また国からの支援に関しては

・政府はイベント禁止までは通達してない

・法人化していれば経済産業省の支援を受けれる。一般社団法人レベルだとセーフティネット貸付のみ

国からはフリーランスを含めて融資を検討しているという話も出ていますが、融資は基本的に「お金を借りる」ということなので、返さなきゃいけないです。奨学金みたいなもの。

新型コロナ、フリーランスにも配慮 菅官房長官

色々なイベントがどんどん中止していってますが、その損害は全部赤字になっているので本当に半端ない・・・。

裏事情を知っていればいるほど、決行する側も中止する側も地獄なのが分かります。

というわけで、真偽不明の情報に騙されて、主催を叩くのはマジでやめましょう。

 

必要なのは、適切な情報を探していくことであり、プラス手洗いうがいをしっかりすることかなと思っています。

 

そして最後に言えるのが、事態が回復したら推しを応援するのもありだってこと。

ヨッピーさんがブログでも書いてました。

有名アーティストのコンサートが中止、とかが話題になってますけど、本当に一番ヤバいのって地下アイドルとか舞台俳優とかどちらかというと小規模な活動をしてらっしゃる方々で、そういう人たちはイベントの物販が生命線だったりするので今回の騒動はマジの致命傷になりかねないのではないかと思います。なのでどうにかこうにか課金の窓口を見つけて課金しましょう。通販でグッズを買うのでも生配信で投げ銭するのでもなんでも良いんですけど、今買い支えないとマジでどうにもならない気がするので。推しのSNSに「今、何にお金を使ってもらうと嬉しいですか?」って聞いてみても良いかもしれません。

ちなみにイベコンの仕事をしている人たちも本気で路頭に迷う勢いで仕事が飛んでるそうです。どうしたもんかしら……。

今できることは何か

 

 

今回協力いただいた保険の関根さんです。

 

保険の御用命はこちらまで

株式会社エイト(関根商会)

担当:関根令(RYO)

担当:関根黎音(REON)

〒252-0231 神奈川県相模原市中央区相模原4-2-9第2相模原ビル2F

TEL:042-758-4451 FAX:042-758-9121 携帯:090-7172-2554(関根令) 携帯:070-2832-9891(関根黎音)

乗馬用品はこちらまで。

株式会社 関根商会 代表取締役 関根 令(SEKINE RYO)

〒243-0303 神奈川県愛甲郡愛川町中津742 関根ビル 2F

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