スタッフ竹森です。
11月18日「眼球綺譚/再生」を観に行ってきました。「綾辻行人」先生の短編ホラー小説「眼球綺譚」の舞台版です。僕が観たのは「再生」他にも「眼球綺譚-朔-」「眼球綺譚-望-」も公演しています。
公式ポスターがめちゃ怖い・・・
-再生-
「いいんだよ、食べちゃっても」
あの日、妻は自らの身体を「呪われている」と云った。
いいや、違う。そんなことはない。
雨音の夜、朽ちていく妻を前に、
私はひたすらに待ち続けている。その祝福された身体に起こる奇跡を。
ちなみに僕は実は、ホラーが苦手です。昔、映画館で無理やり呪怨を見せに行かされて、2時間近い時間をほぼ目をつぶってやり過ごしたくらい苦手です。ちなみに「眼球綺譚/再生」、朗読劇ですが、ジャンルはホラーです。原作小説もジャンルはホラーです。でも観に行ってめちゃくちゃよかった!!
朗読劇だからより深く物語に入れる。
「朗読劇」についてweblioより
役者が台詞を暗記するのではなく、台本を持って音読するスタイルで上演される劇。主に声による劇的演出によって観客にイメージを伝える。
朗読劇は、俳優さんの声と少しの効果音と音楽だけで構成される劇で、ホラーと物凄く相性が良いと思っています。
ホラー苦手な僕が言うのも何ですが、人を怖がらせるときって、下準備めちゃくちゃ必要だと思うんです。大掛かりなセット、見せ方、凝ったビジュアルなど。
問題は、この下準備が中途半端だと、恐怖する前になんとなく冷めてしまうんじゃないかなと思います。下手にチープなビジュアルやセットを出してしまうと、あんまり怖くなくて、拍子抜けするという難しさがあるのではないかと。
そう考えた場合、朗読劇というのは、物語の中に没入して、自分の想像で無限に恐怖が沸き上がるため、ホラーとの相性ばっちりな気がします。実際に見るものよりも、想像のほうがよっぽど怖い時がある。
「眼球綺譚/再生」から考えるホラーの幅広さ
映画や小説などの娯楽作品で観る者が恐怖感を味わって楽しむことを想定して制作されているジャンルの作品。
というわけで、「眼球綺譚/再生」を怖がらせることが大前提のホラーだと思っていました。
ところが、実際に観劇すると、怖いというより、なんだか物悲しい雰囲気で、奥深い雰囲気を持つ作品でした。もちろん怖いんですけどね。
ネタバレを伏せて語ると、「呪われた」体を持つ妻、「祝福されている」といった夫。二人を取り巻く数奇な運命。非日常と狂気に堕ちていく。
僕は原作を全く知らなかったのですが、話に置いて行かれることはありませんでした。70分の朗読劇の中、鈴木彰紀さんと春名風花さんの名演で、不気味な雰囲気がありながら、どこか物悲しい雰囲気でした。
作品の内容について、「まずは見てほしい」というのがあるので、ほとんど語れませんが、すごく好きな雰囲気。恐怖というよりも、人間のエゴや物悲しさ、夫婦の愛おしさをすごく感じました。
ホラーというジャンルは、「怖がらせればいい」と思っていたので、その意味では、「眼球綺譚/再生」は単純な「恐怖」「不気味さ」では終わらない。夫婦愛とか本当の愛とかをすごく考えましたし、ホラーというジャンルを先入観でフタしてる自分の視野の狭さに気づきました。こういった考えさせられる、奥が深い作品は好きです。
朗読劇としてめちゃくちゃよかった
朗読劇というと、台本をもって読み聞かせするイメージだったのですが、二人の対話が流れるように綺麗なんです。ただ台本をもってやり取りしているんではなく、会話のタイミング、導入の仕方、舞台で表現しているかのように語るんですよね。情景が目に浮かぶようでした。
そして、鈴木さんの宇城先生と春名さんの由伊。この二人の語りを聞いていると、なんとなく自分が登場人物と同じ世界を共有しているかのように感じます。目で観る舞台が、人間模様を垣間見る額縁の世界なら、この朗読劇は、自分の意識が物語の世界に入り込むような感覚です。僕は、目をつぶりながら宇城先生に感情移入していき、徐々に悲しくなっていったのを覚えています。
僕自身、朗読劇の観劇初心者なのですが、「眼球綺譚/再生」は話が明快であり、引き込まれるし、とても面白かったので、初心者で朗読劇に抵抗がある人にこそ見に行ってほしいなと感じました。
正直な話、ものすごくよかったので、時間があるならもう一度、聞きに行きたい朗読劇です。
場所は新宿眼科画廊
新宿眼科画廊までのGoogleMAPです。
新宿ゴールデン街を抜けた先のドトールの横ですね。公演は11月27日まで!!
スケジュールはこちらです。
ちなみにチケットは
予約 :3,700円
当日 :4,000円
当公演では各回当日券をお出しします。
当日券は先着順。開演の10分前からのみ劇場受付にて受付・販売となります。
当日券の予約・抽選はありません。
という感じ。僕は当日券で観に行きました!!
怖さと、物悲しさを求めている人にオススメです!!