スタッフの竹森です。
ちょっと前に、携帯のオンオフの話題を見かけまして。
開演前に近くの殿方グループが「今、携帯スマホの主電源切れって言った?」「ええ?ヴーヴーいう音を気にする人がいるってこと?」「主電源は切れんなあ」と笑いながらスマホをポケットに。
舞台に立つ側にしろ観る側にしろ、その時間空間に対して真剣に向き合った経験なき者の言葉だ— ぬえ (@yosinotennin) 2019年4月23日
これって今に始まった問題ではなく、昔からずっと言われてきたものです。
僕も上演中は絶対に携帯を切ってほしいと思っている人なので、気持ちがめちゃくちゃわかる。
特に舞台なんかでは間違いなく電源を切ってほしい。
マナーモードでバイブレーションなら大丈夫だと思っても切ってほしい。
なぜかというと、
・劇場は音が響きやすく作ってある。その結果、バイブレーション音も響いてしまう
・音によって、舞台に集中していたほかの観客も迷惑に。
・最悪なのは、音によって、舞台上の役者さんがミスしてしまう可能性がある。
僕も一度、バイブレーションどころかマナーモードにすらしてない人がバリバリ鳴らすのを見ました。
観客どころか、舞台の時も止まったよ・・・・
何故電源を切れないのか
切ってほしい事情だけを考えても平行線なので、電源を切れない理由は何故かを考えてみました。
1.単純に電源を切り忘れた、切るタイミングを逃した。
2.切らなくてもマナーモードで十分だと思ってる
3.万が一の電話がかかってきたときに、対応するため
4.自分がよければ人のことはどうでもよい
ざっくりと考えてみました。
1.単純に電源を切り忘れた、切るタイミングを逃した。
もしかしたらあり得るかも。ただ、開演前にアナウンスが流れることが多いので、そこをしっかり聞いてくれれば防げると思います。
万が一、切るタイミングを失ったら、iPhoneなら即座に機内モードに切り替えるのが応急処置かなと。
機内モードにしておくと、電話やLINE通知が一切きません。
ただしアラームなどは鳴ってしまうので、本当は電源を切るのがベスト。
ただ、iPhoneは、電源を切ろうとして、電源ボタンを5回以上押してしまうと、緊急アラームがなってしまうので注意です。
2.切らなくてもマナーモードで十分だと思ってる
「劇場は大きいし、マナーモードの振動音は自分にしか分からないだろう」という思い込みからやってしまうのかもしれません。
しかし、役者のみなさんは、基本的にマイクなどを通さず、生でセリフを言っているわけです。
その生の声を響かせるための音響設備を備えているので、マナーモードの振動音なども増幅されてしまいます。
また、劇にもよりますが、マナーモードのような振動音は劇場では意外とよく聞こえて、悪目立ちをしてしまいます。
「マナーモードなら聴こえないだろう」というのはダメ。電源は切ったほうがいいです。
3.万が一の電話がかかってきたときに、対応するため
仕事が忙しい方ならあり得るかもしれません。
ですが、劇場では、通路も演出に使われることがあります(劇団 月のシナリオの公演でもあります)
そのため、映画と違って会場からの退出が難しいことがあるので、かかってきても、電話に出るのが難しい。出れない電話なら、用事を済ませて電源を切るのが一番かなと。
4.自分がよければ人のことはどうでもよい
これは擁護することができません・・・・こんな方がいない事を願うばかり。
番外編、切り方がわからない。
少数派ですが盲点でした。
映画や舞台で携帯を鳴らす人 ⇒原因は「電源の切り方が分からない」のかも?
基本的に劇場以外ではスマホを切る理由が少ないので、切り方を知らないというのはありうるかもしれません。
劇場側にできる対策はないのか
とはいえ、良識のある方は、皆さん守っていると思います。
問題は全く意に介してない人をどうするかですね・・・
というわけで、劇場側でできる対策を調べてみると
1.通信抑制装置
NHKホールなどで使われているものですね。
電波ジャマーなどはAmazonで5~6万円で販売されてます。
ただし、導入は結構大変で、総務省の許可と免許が必要で結構ハードルが高いです。
通信機能抑止装置は、簡易な免許手続の対象ではない為、免許を総務省に申請し予備免許を取得、総合通信局(沖縄総合通信事務所を含む。)による落成検査[2]に合格しないと付与されず、無線局として運用できない。
ちなみにこれ、免許を持たずに使うと罰せられます。
※電波法違反(5年以下の懲役または250万円以下の罰金)
2.スマホなどを通信遮断ケースに入れる
ケースに入れることで、通信遮断することができるケースが販売されています。
Amazonなどで500円~2,000円程度で売っていました。
通信遮断ケースをお客様に無料貸し出しして、それにスマホを入れてもらう方法。
ただし、遮断ケースも100%完璧ではないのと、お客様の数だけ用意すると、小劇場でも
70×1,500円=105,000円
と、結構馬鹿にできないコストがかかったり、レンタルしたままうっかり持って帰ったりする可能性がありますよね。
3.お客様全員に切ってもらうようにする。
やはりこれが一番理想です。とはいえどうしたらいいものか、と考えたとき、斬新な解決方法をしている映画を見たことがあります。
ざっくり言うと、
1.上映前の予告で、写真撮影タイムを設ける。
2.本編が始まる前に、「では、皆さん携帯の電源をお切りください」とアナウンス。
これはびっくりしました。
まず1.の段階で、ほとんどの人がスマホを取り出して撮影するわけです。
そして全員の意識がスマホに行ったあとに電源OFFアナウンスすることで、携帯の電源を切らせるわけです。
これで、「別の事してアナウンス聞いてなかった。」とか「うっかり切り忘れた」とか防止できるわけです。
あれは上手なやり方だな~と思いました。
大がかりな装置や設備を作らなくても、コロンブスの卵的な発想で、劇場の携帯OFFにすることもできるのかもしれません。
とはいえ、ここを見ている皆さんは、素敵な観劇者の方々だと思うので、きっと電源を切っていると思います!!