恐怖と好奇心入り混じる舞台
「本作には幽霊屋敷も亡霊も登場しますが、多くの登場人物がその存在を受け入れており、怪異も禍をもたらすものばかりが起きるわけではありません。したがってこれはホラーではなく、されどジェントル・ゴースト・ストーリーでもない、毎度のことながら、おさめる場所が見当たらないような作品になりました。自分の心霊観、死生観にしたがって書いた、奇妙で苦い物語です。最後までお楽しみいただけますと幸いです」
ステージナタリー:「心霊観・死生観にしたがって書いた奇妙で苦い物語」、鵺的「バロック」開幕
奇妙な洋館、怪異、そこに住む家族たちと不気味な風習。
難しい題材を音と光、役者の芝居によって、見事に再現し、圧倒的な恐怖を生み出す作品に仕上がっています。
ホラーじゃないといわれてますが、僕にとっては間違いなくホラーでした。
(ちなみに僕はホラーが苦手。)
しかし、観に行って本当に良かった。
「観に行かなかったことを後悔する舞台」でした。
前述のとおり怖いのが苦手なので、ホラー映画に誘われても、目と耳を閉じる準備をして見ないようにしていることが多いです。
しかし、「バロック」は違った。
怖くて目を閉じても、気になってしまう。
見ずにはいられない。
何が起きているのか、目で、耳で、確かめたくなる。
気になって気になって仕方ない。
この奇妙な館にこれから何が起きるのか。
呪われた家族は一体何なのか。
得体のしれない出来事は何なのか。
きっと怖い、でも気になる・・・・。覗きたくなる・・・・。
「バロック」は、好奇心と恐怖の狭間で悩まされる、魅力溢れる舞台です。
公演前から評価の高い舞台
さらにこの舞台、なんと稽古が始まる前に全チケットが売り切れて、急遽追加公演が決まったという凄い作品。
鵺的『バロック』
作 高木登/演出 寺十吾
3/7(土)〜15(日)
ザ・スズナリhttps://t.co/Mxnbrn1Fp3🦋全席完売にて急遽
追 加 公 演 決 定
【2020年3月11日(水) 14:30の回】🦋2月7日(金)昼12時より
J-Stage Naviにて発売開始
👇🏻👇🏻👇🏻https://t.co/42siwxPzukお待ちしております!!! pic.twitter.com/gSHIvBBwhb
— 春名風花 official🐤 (@harukazechan) February 5, 2020
ホラーが大の苦手な自分が、恐怖の世界にどんどんのめりこんでいく。
舞台にいる人間が怖い。本物の幽霊と対峙しているかのように怖い。
観劇していると、心臓をわしづかみにされて、嫌な汗が流れてくる。
神経がピンと張りつめ、思わず悲鳴を上げてしまうかもしれない。
それでも観るのをやめたくない。
怖いのに、観るのをやめることが出来ない、美しく、不気味で素晴らしい作品です。
120分という長編ですが、それを感じさせないほど圧倒的な没入感をもたらせてくれます。
全公演満席ですが、ラスト二回の公演のみ、当日券があります。
公式HPから
3月14日(土)18:30の回
3月15日(日)13:30の回いずれも当日11:30より、劇場電話番号にて受け付けいたします。
※14日(土)は、18:30の回のみ対象です。夜の公演ですが、当日券電話受付開始時間は11:30とさせていただきます。ザ・スズナリ 03-3469-0511
不気味で恐ろしくも、目が離せない世界。是非とも興味がある方は覗いてみてください。