とうとう公開された、上田慎一郎監督最新作「スペシャルアクターズ」
この映画の脚本を書くにあたっての上田監督のプレッシャー。
上田監督がいざ本作の脚本執筆に取りかかろうとすると「『カメ止め』を越える作品を作らなくては」という思いで押しつぶされそうになり、何度か気を失いそうになる日々が続いたという。
しかし、そんな彼を支えたのは、家族や周囲の仲間たちだった。例えば「松竹ブロードキャスティング」の深田誠剛プロデューサーは、サザンオールスターズのエピソードを引用しながら、上田監督を激励。いわく、デビューシングル「勝手にシンドバッド」が大ヒットを記録した後、やはり桑田佳祐も大きなプレッシャーに見舞われたというエピソードを伝えた。
セカンドシングル「気分しだいで責めないで」は前作ほどのヒットにはならなかったものの、大ヒットを記録した3曲目「いとしのエリー」を生み出すためには必要なプロセスだった……。そのことを踏まえ、「うちは2曲目になってもいい。上田さんの好きなものを作ってください」という深田プロデューサーの言葉に、暗闇の中であかりが灯されたような気持ちになったという。
上田慎一郎監督は「カメ止め」越えという重圧をどう乗り越えたのか?
あれほどのメガヒットを飛ばした「カメ止め」。そこにかかる重圧は想像がつかないほどすさまじいと思う。
僕だったら胃に穴が開くどころか、爆発してしまう。
そうして完成した作品が「スペシャルアクターズ」
あらすじ
超能力ヒーローが活躍する大好きな映画を観てため息をつく売れない役者の和人。
ある日、和人は数年ぶりに再会した弟から俳優事務所「スペシャルアクターズ」に誘われる。
そこでは映画やドラマの仕事の他に、依頼者から受けた相談や悩み事などを役者によって解決する、つまり演じることを使った何でも屋も引き受けていた。そんなスペアクに、”カルト集団から旅館を守って欲しい”という依頼が入る。
ヤバ目な連中相手に計画を練り、演技練習を重ねるスペアクの役者たち。
しかし、和人にはみんなに内緒にしている秘密があった。極限まで緊張すると気絶してしまうのだ。
あろうことか、このミッションの中心メンバーにされた和人。果たして、和人の運命やいかに!?
スペシャルアクターズは面白いのか
さて、実際に観に行ってきました。その感想は
めちゃくちゃ面白い!!!
カメ止めの大ヒットを背負ったうえで、二番煎じなどは一切せずに、上田監督の持ち味をきっちり生かした良作に仕上がってました。
ただ、話の内容として、あらすじ以上のことは一切言えない!!
カメ止めと同じように、この作品の情報を、すべてシャットアウトして見に行くべき!!
また、カメ止めと同じように、キャストの舞台挨拶やイベントが盛りだくさんです。
≪特別イベント詳細≫
2日間連続で舞台裏を語る、ティーチイン上映会。ご参加お待ちしております。会場:シネクイント https://www.cinequinto.com/shibuya/
(〒171-0021 東京都渋谷区宇田川町20-11 渋谷三葉ビル7階)
日程:10月28日(月)~10月29日(火)
時間:20:35回上映終了後ティーチイン
登壇者&テーマ:
▼28日(月)監督×主演 ティーチイン(上田慎一郎監督×大澤数人)
▼29日(火)ムスビルティーチイン(三月達也× 淡梨× 川口貴弘×櫻井麻七×上田慎一郎監督)
スペシャルアクターズはどんな人にオススメする映画なのか
とはいえ、このスペシャルアクターズ、「ただチケットを買って見に行くんだ!!」と言っても流石にそれは無茶ぶりすぎるので、こんな人にオススメというのを考えてみました。
・カメ止めが好きな人、上田監督が好きな人
やっぱり上田監督テイストがたくさん出てるのがいい!!そしてカメ止めが好きな人、感染者同士で仲がいい人は、ぜひ映画館に行きましょう。間違いなく吹くシーンがたくさんある。
・どんでん返しのようなエンタメが好きな人
カメ止めのように、丁寧にフラグを回収しながらのどんでん返しをしてくれるので、観ていてめちゃ楽しいです。置いてけぼりになることもない!
・「JOKER」を観に行った人
主人公の大野和人、マジでJOKERのアーサーと境遇がそっくりなので、同じ境遇の人間がたどる結末を見てほしい。
こっから僕の素の感想
さて、こっからは僕のスペアクへの感想をそのまんまのっけてみました。多少ネタバレしているのでご注意を。
ぶっちゃけて言うと、最初にスペアクを観に行くとき「カメ止めの次だし、それを超えてくるかなーどうかなー」とか思ってました、すいません!!
これとカメ止めを比べるのは「アベンジャーズエンドゲームとJOKERはどっちが面白い?」みたいな話。比べるとか無理や。
というわけで、スペアクの好きなところをあげていくと
1.めちゃくちゃ頼りない主人公が、少しずつ前進していく。
緊張すると気絶する主人公、大野和人。序盤はめちゃくちゃ気絶するし、家賃滞納してるし「おいおい大丈夫か?」とか思っちゃうんですけど、周りに助けられながら、少しずつ主人公になっていくんですよね。
頼りなさは変わらなくても、だんだんと重要なキャラになっていく・・。
映画「スペシャルアクターズ」
主人公の大野和人役の大澤数人を、今一度知って頂けたらと思います。
映画から出てきたような人じゃなく、現代から出てきたような、映画の人です。
うまく言えなくてすみません、ですので是非観てほしいです。
観終わった後は皆様いい感じの顔になると思います。 https://t.co/02xNvCsX7E— 宮島三郎 miyajima saburo (@saburo0804) October 20, 2019
2.弟がすっごくいいヤツ!!
主人公の弟、大野宏紀。最初はチャラそうだな~とか思ってたけど、めちゃくちゃいい人です。
ぶっちゃけ「JOKER」のアーサーと同じ境遇だった大野和人が、闇堕ちしなかったのは弟の力がめちゃ大きい。
JOKERのアーサーも、あんな弟がいたら・・・。
ジョーカー観たあと、スペシャルアクターズ観たんですけどね、「あぁ、アーサーにもこんな弟がいてくれたらなぁ…」とか思って二重に泣けた。
— ナオミント (@minmin70) October 22, 2019
3.スペアクのキャスト達も、魅力的な人ばかり!!
キャストと役名見ていると、おそらくあてがき。
一人一人が持ち味を生かして、うまいこと調和するのが上田監督の真骨頂だなと。
というわけで、勝手にそれぞれのキャラを一言紹介してみました。
スペシャルアクターズ側
社長よりも「ボス」と呼ばれたいスペアク社長、富士松卓也
社長の娘で、姉御肌 富士松鮎
社長よりまとめ上手 田上陽介
スペアクの暴走特急俳優、清水八枝子
うさん臭さはムスビル以上。スペアク役者 丹後真由
スペアクの強面&怪演 鬼塚
ムスビル側
パーマとカリスマ、ムスビル教祖 大和田多麿瑠
口先の魔術師、ムスビル教祖の父 大和田克樹
ムスビルの峰不二子 七海
うさん臭さピカイチ 河田隆弘
奥さん、騙されてますよ。ムスビル信者 麻奈
色気に陥落した男。ムスビル信者 山本
旅館側
美しき佇まいと、静かな魅力。ムスビル信者 津川里奈
姉想いの優しい女子高生 津川祐未
髭と存在感 廣瀬
主人公の良き相談相手のメンタルクリニック先生 原田拓己
メインサブ含めて、これだけのキャラが出てくるんですが、一人一人に個性があって人生がある。
全員がきちんと活躍して見せ場があります。さすが上田監督!!
4.丁寧な伏線回収と期待をいい意味で裏切る展開
この映画にも、いろいろと予測不能要素が出てきます。
観ている途中で、「おお!?マジか!?すごいなこれ!!」な展開もあったし、「ちょっと都合がいい展開かなぁ」と思った場面もあった。
しかし、最後までいくと、それらですら伏線だったのかも・・・?と思わせてくる。
ここから先は、ぜひ自分の目で確かめてみてください。
おまけ.エキストラ陣に吹く
この映画、エキストラに知っている人がめちゃくちゃ出てました。
事前情報で知ってはいたものの、登場した瞬間コーラ吹きそうになりました。
てかもうエキストラの存在感がありすぎる。あんなん絶対に笑う!!
スペシャルアクターズは、ぜひ劇場で見てほしい。
さて、最後にこのスペシャルアクターズですが、僕から言えるのは「ぜひ劇場に観に行ってほしい」
よく、「推し」なんて言われてるんですが、アニメでも楽曲でもアイドルでも舞台でも、「お客さんが多ければ多いほど続編や、後継作品が作られやすくなる」
昔と違って、SNSが発展したおかげで、僕らみたいな個人でも情報発信がすんごく簡単になりました。
昔と違って、良いものがちゃんと発見されて広まる世の中になってきました。
でもまだまだ発見されていない良いものがいっぱいある。だけども、無名というだけで評価されづらいものがいっぱいあります。
「カメラを止めるな!」は、「これ、まだマイナーだけどめちゃ面白いから、有名になってほしいな」と思っていた人に希望を与えてくれましたし、僕も希望をもらいました。
スペシャルアクターズは、そんな監督の最新作品でもあり、実際にこの目で鑑賞してみたらめちゃくちゃ面白かった!!
もっと多くの人たちにも見てもらいたい!!
だから”推し”ます。