スタッフの竹森です。
先日、こんなツイートを発見。
耳の聴こえない人は邦画を観ない理由は!?
「字幕がついていない」
だから、字幕がついている洋画を観ることが多い。
聴こえない人は邦画が嫌いな訳はない。
字幕がついていないから観ないのだ。聴こえない人だって、邦画を観たい。
邦画にも字幕をつけていただければ、もちろん観に行く!
— 忍足亜希子 (@a_oshidari6) 2019年2月15日
僕もよく映画館に行くのですが、邦画や日本語吹き替えは基本的には字幕がついていません。
ついていない理由はさておき、ふと、昔書いた2.5次元の記事に、「確か字幕グラスあった」と。
これこれ。これです。
ハイパープロジェクション演劇 「ハイキュー!!」〝烏野、復活!〞多言語対応型「字幕メガネ」サービス導入のお知らせ
2.5次元舞台が、インバウンド向けに導入したものです。観劇中、キャストが話している内容を翻訳したものが字幕メガネに表示される画期的な仕組みです。
この多言語対応グラスを応用することで、映画で、自分だけ字幕表示されるんじゃないかと思って調べてみたら、やっぱりありました。
メガネ型端末の名前はMOVERIOで、映画字幕に対応したアプリがUDCAST。
2.5次元舞台で使われているものと、メガネ端末は一緒だけど、ソフトが違うのかな。冒頭のツイートのリプでもご紹介してました。
先日、私がツイートしたものなので、言い回しが内向きなのですが、これをどうぞ。
忍足さんと同じことを考え、動き始めている人は確実にいます。
もっと知名度が上がるといいな。 pic.twitter.com/XIikqptxmI
— 🥛納富ももこ🐄🐂 (@mokotan1009) 2019年2月17日
スマホと字幕メガネで視聴できるUDCast
このUDCast、アプリと字幕メガネ「MOVERIO」とマイクの3セットみたいです。
ただし、場合によっては、アプリとイヤホンだけでもよかったりするみたい。
アプリとメガネ端末とマイクを使ってこんなことができるそう。
・メガネ型端末をかけている人だけに字幕を出せる(多言語も可能)
・メガネ型端末にそれぞれ別の字幕を出せる
・スマホアプリを使って、音声補助がついた映画を見れる
ヘッドセットを持っていないので、今回はアプリとHPのデモで試してみました。
これはなかなか便利!!これが字幕メガネで表示されたらものすごく便利!!
ちなみに、字幕だけでなく、音声や、他言語などにも対応しているので、目が見えない方や耳が聞こえない方だけでなく、海外から来られた方にも字幕が表示されるそうです
・対応している映画数が凄まじく多い!!
このUDCastに対応している映画作品ですが、メジャー作品を中心に、結構な数の邦画に対応してます。普通に「ドラゴンボール」や「クレヨンしんちゃん」にも対応しているし、「カメラを止めるな!」にも対応済み。うれしい!!
すごく良いものなのに、何故マイナーなのか
UDCastアプリと字幕メガネ、ARで字幕が出るし、副音声でナビしてくれたり、体感した感じで、かなり便利そう。なのに、世の中ではあまり知られてない。何故なんだろうかとマイナーな理由を調べてみました。
その1、貸し出し対応している映画館が少ない
UDCastアプリとメガネ型端末「MOVERIO」さえあれば、どこの映画館でも楽しめるのですが、この「MOVERIO」のレンタルしているのは、チネチッタ川崎や、新宿ピカデリーというのが分かりました。
TOHOシネマズも導入しているらしいけど、なぜかページがリンク切れです・・。
つまり、貸し出ししている映画館がかなり少ないです・・・
その2、映画館が対応しているかどうかわかりにくい。
導入しているチネチッタさんや、ピカデリーさんも「導入してます」ページを探すのが結構大変です。
積極的に広告しているわけでもなさそう?
トップではなく、別のページを探して見つかりました。
その3、メガネ型端末の値段が高い。
字幕を見る場合に使うメガネ型端末「MOVERIO」値段が高いんです・・・。おおよそ6万前後。ちょっと高い・・・。
結構な値段がするので、映画館側としても導入しづらいし、貸し出しにくいのかもしれません。
この値段だと、個人で買うのもちょっと厳しいかもしれない。映画を見るためにこれを買うのはよっぽど映画好きな人限定になっちゃう気がする・・・。難しい・・・。
以前、VRアプリの開発者の方とお話ししたとき、こういったハードウェアの値段は大量生産されて普及すればするほど値段が下がってくると言ってました。
もう少し待つしかないのかな
その4、UDCastの操作が難しい。迷惑行為と間違えられるかもしれない。
UDCastのアプリ操作が特殊です
副音声や、字幕の起動方法は、あらかじめデータをダウンロードして、映画本編中に音声を読み込ませて起動する方法。
つまり、映画館の本編中に特殊な操作をしながらスマホをいじらないといけない。
映画館では、基本的にスマホの電源は切ることになっているので、劇場でスマホ使っていると、迷惑行為と間違えられる恐れがあります。
そうなってしまうと、使った人も傷つくし、周りにも迷惑をかけてしまう。なかなか難しい問題・・・。
これらの課題をどう乗り越えられるか。
便利ですが、まだまだ解決しなくてはいけない課題があるUDCast。
これらの課題を解決することができれば、とても便利なアプリです。
現在は劇場側が、字幕付き映画を配信したりしていますが、上映する場所が限られているのが現状です。
しかし、UDCastアプリとメガネ型端末が普及し、使い方が簡単で、どこでもレンタルできれば、目の見えない方や、耳が聴こえない方にとって、映画が身近になるのではないかなと思います。
障害者手帳所持者人数:242,200人(平成23年度厚生労働省「生活のしづらさなどに関する調査」)
※身体障害者福祉法の障害認定基準が両耳聴力レベル70dB以上(高度・重度)であるため、障害者
手帳交付対象外の聴覚障害者も含めると、少なくとも1,000万人以上はいると推定。
また、近年では、邦画の公開本数が、かなり増加してきています。
邦画の盛り上がりと公開本数の増加を見ていると、これから先に需要がありそうな気がします。
また、2016年のまとめですが、導入する予告が出たときは盛り上がりました。
「字幕を表示するメガネ」をTOHOシネマズが導入予定、これはすごい!
邦画も盛り上がっているので、せっかくなら、現在の課題を少しずつでも解決していって、いろいろな人に映画を楽しんでもらいたいなと思うのです。