約、一年以上ぶりの小劇場の舞台プラス映画を観にいってきました!!
コロナの影響で全然観にいけてなかったので、本当に久しぶり。
場所は下北沢のシアター711です。
ザ・スズナリの場所ですね!
この「七祭」、映画&舞台二本という、なかなか無い組み合わせなのですが、何を隠そう、
映画に羽子田さんががっつり出てます。
実は僕も撮影現場にお邪魔してました!
撮影現場で空気のように気配を隠しながら、邪魔にならないようにこっそりとメイキング映像のお手伝いですけどね!
ちなみに、撮影時にあらすじをちょこっと知っていたものの、映画を全編通してみたのはこの日が初めて。
羽子田さん、めちゃめちゃ出番多いです。さすが!
今回は、相手の死や絶望に付けこむ非常に怪しい役です。
普段の羽子田さんからは想像もできない、怪しくて不気味なシーン満載です!!
というわけで、今回は舞台+映画の「七祭」の特に映画「うまれる」にフォーカスした内容です。
映画のあらすじがこちら。
短編映画『うまれる』 (上映時間40分位)
脚本/監督 田中聡
出演 On7 ALLメンバー、他客演の皆さま
もしあなたの子供が、いじめが原因で亡くなったとしたら、あなたは子供をいじめた人々に復讐しますか?
そしてその行為は許されると思いますか?
うまれる子供、うまれるいじめ、うまれる憎悪、そしてうまれる物語。
子供が髪型の事でいじめられ、ある日、崖から子供が転落死してしまう。
警察には事故として処理されるものの、母親は全く納得がいかない。
片親で美容室を営んでいる母が、我が子を救えなかった。髪を切ってやればいじめられなかったんじゃなかったのかと心底悔やみます。
だが、ふとしたきっかけで本当は事故ではなく、自殺教唆、そして殺人未遂だと知った母親は・・・。
子供を持つ親の身として、主人公である「亡くなった子の母」にすごく感情移入するけど、感情移入すればするほど心がズタズタになっていく内容でした。
・いじめが原因で子供が亡くなったらどうするか?
・それがいじめた末の殺人だったらどうするか?
・いじめた子、そして親たちが「うちの子じゃない。被害者の親が悪い」と言い始めた時、果たしてうまれる憎悪はどこにぶつければいいのか。
映画というフィクションの世界だけども、現実にあり得る話であり、この映画の結末だって現実に起こりえるかもしれない。
自分が同じ立場になったら、正気でいられないかもしれない。
自分だったらどうするだろう。何が最善なのだろうか。
と、心がえぐられながら見てました。
子供を殺された母親の憎悪は痛いくらいにわかる。
いじめた末に我が子を殺した相手をどうにかしてやりたい気持ちがすごい良くわかる。
「うまれる子供、うまれるいじめ、うまれる憎悪、そしてうまれる物語。」
そこには「いじめた子供たちにも未来が~」「被害者の子が悪かったのか~」という相手側の理屈が入る余地は一切ありません
「自分の命よりも大切な存在が、無慈悲に踏みにじられ、命まで奪われる苦しみ、悲しみ」を真正面から描ききってます。
撮影現場に行っていて、カメラに映らない現場の和気あいあいとした雰囲気を知っている僕ですら、作品全編と通した熱量、いじめの末に我が子の喪失がもたらす大きな闇をこの作品から感じました。
ラストシーンはただただ哀しい・・・。
この映画、過激な描写があり、万人にオススメできる内容ではないかもしれない。それでも色んな人に見てほしいと感じました。
僕だったらどうするだろうか。
いじめの末に我が子を無くした親の皆さんは、もしかしたら同じジレンマを抱えているのかもしれない。
劇中のようなことが起きていないのは、偶々なのかもしれない。
そして、我が子を失う前に親としてできることは何なのか。
子供のSOSを感じることができるのか。
逆に、子供が加害者になる前に防ぐことはできるのだろうか。
そういった出来事に対して、改めて向き合う機会をくれる作品なのかもしれません。
一方で舞台作品はめちゃめちゃ明るいです!救われます!
2作品とも、このポスターの「七祭」のように明るく楽しいコミカルなものが揃っています!
映画であれほどいがみ合ってた役のキャストさん同士が、今度は舞台ではめちゃくちゃコミカルな役をやっているからこそ、
メタ的なことを言うと、「ああ、劇中の出来事がフィクションでよかった・・・。本当に良かった・・・。」
という安心感がこみ上げます。
謎の競技を芝居だけで表現する「オオガミ」は、メタ目線で言うなら、映画で一番いがみ合ってたいた二人が仲良くなってるし、
「夜会」では映画で完全な悪役側だった俳優の方が、全く違った側面の芝居を見せてくれるので、ストレスからの解放がすごい!!
短編演劇『座れ! オオガミ』 (上演時間40分位)
作/演出 土田英生(MONO)
出演 安藤 瞳(青年座)吉田久美(演劇集団 円)保 亜美(俳優座)
スタジアムの観客席からグラウンドを見つめる女性達がいた。行われているのは聞いたことのない奇妙なスポーツ。しかも鍛えられていない選手。なぜ、彼女達はこんなものを応援しているのか?コントのような四十分から人間が見える
短編演劇『夜会』 (上演時間40分位)
作/演出 早船聡(サスペンデッズ)
出演 小暮智美(青年座)尾身美詞(青年座)渋谷はるか(文学座)
いつか、どこかの港町。劇場には灯がともり、女優は追い詰められていた。
奮闘する女優のマネージャー、そこへ訪ねてきたその姉という女。それぞれの道を求める彼女たちには、しかし秘密があった―――――
夜霧の中に朝を待つ、鮮烈な赤い夜。
今回は、映画「うまれる」についてフォーカスしましたが、舞台「夜会」「座れ!オオガミ」もセットでぜひ見てほしい。
ただし、内容をあまり語るとネタバレになるので、是非、劇場にいってみてください!!
「七祭」は今週の日曜まで!!