「zoom入門」でここにたどり着いた方、ようこそ。
スマホやPCにzoomをインストールしたい人は、下記のリンクをクリックです。全部公式サイト。
インストールできたら、もうほぼOK。
サインインやサインアップの必要は一切なく、ミーティングID、パスワードを入力して参加しても、URLから招待もらって参加してもOk。
自分で部屋を作らない限り、アカウント作る必要もない。うん簡単だね。
以上です。
さてここから下は、今まで一切PCどころか、スマホにも触ったことがない70代の人にzoomを導入すると何が起こるのかの経験談です。(本人にも許可得てるよ!)
ついでに、自分がどれだけ知らず知らずに専門用語話しているかを振り返るいい機会でした。
それではインストールからスタートするよ!!
第一章、お使いのスマホはandroidですか、iPhoneですか。
コロナで、続々自粛する中、シナリオクラブはオンライン化一直線。
とはいえ、いきなりの全員オンライン化は無理。
「とりあえず、少しずつナビゲートをしながら始めよっか」
というわけで、おそらくもっとも機械に詳しい僕がナビゲーターに決定。
「まあ、スマホにzoom入れるくらい楽勝っしょ」
とかマジで思ってました。すみません。
当時は「iPhoneの扱いなら任せとけ!」「PCのzoomも大丈夫!!」「androidもiPhoneと似たようなもんでしょ。へーきへーき」
と、思ってたあの頃の自分をぶん殴りたい。
まずは一本目の電話がかかってきた。
「もしもし、スマートフォンにzoomを導入したいんですけど」
iPhoneでもandroidでも、たぶんなんとかなる。PCは予習済みだ。さあこい。
「それではお使いの機種は、iPhoneとandroidとどちらになりますか?」
「どっちかわからないです」
僕は頭を抱えた。
第二章、Google playストア ぐーぐるぷれいすとあ
スマホは携帯ショップに勧められるがままに購入したらしい。
本人も訳が分からないまま買っていた。
どうでもいい持論だが、何も分からない人が買うべきスマホはiPhoneだったりする。
何故なら、日本のiPhone所有率は60%近くあり、分からないことがあっても周りの人に聞けるからだ。
あとセキュリティ面でも非常に安全である。
しかし分からない人ほど、携帯ショップでandroid系の機種を勧められるのは、携帯会社の陰謀なのだろうか。
今回のお電話の方もandroid機種のスマホの所持者だった。
気を取り直して
「それではまず、ホーム画面を開いてもらってもよろしいでしょうか」
「ホーム画面?」
「えっと、アプリがたくさん並んでいるあの画面です。」
「アプリって何かしら?」
困った。
我々が当然のように使っている
「ホーム画面」
「アプリ」
といった共通言語がほぼ使えない。
全く知らない人にどう説明する?
想像するしかない。相手が目の前で見ているものと全く同じ表現ができるような言葉を。
「最初の画面で、丸くて、模様が入って、文字が出ている物体がいくつも並んでいる、そんな画面が出てきてます?」
いや、何言ってんだ俺。これじゃわからんだろう。宇宙語か。
「あ、もしかしてこの最初の画面のことですか」
えっ、通じんの!!?
「そうです!!それが最初の画面です!!そこからGoogleプレイストアを探してみてください!!」
やった!!一歩前進したぞ!!
「あの・・・ところで、ぐーぐるぷれいすとあって何ですか・・・?」
ですよね。
第三章 違う、そうじゃない
紆余曲折しながらもなんとかgoogle playストアにたどり着こうとしていた。
「ぐーぐるぷれいすとあ、ってこれかしら。」
「たぶんそれです!!それを”ぽちっ”ってしてみてください!!」
「ぽちっ・・・。どこかにいってしまったわ。」
「どこかに行ってしまいましたか・・・・。」
年を重ねると、ものがどっかにいきがちである。すごくよくわかる。僕も「アレどこに置いたっけ」ってなるからね。
しかし、最近はスマホの中身もどっかにいってしまうらしい。
「ええと、どんな画面が出てきてます?」
「文字がいっぱい並んでいるわ」
そうだね。大体のスマホは、どの画面でも文字がいっぱい並んでるね。
違うそうじゃない。鈴木雅之のアレが頭をよぎる。
「書いてある文字を読めますか」
「ええ、全然読めますよ」
違う、そうじゃない。
第四章、本当に長い長い廻り道
ここまでくると、流石にどうナビゲートすればいいか、だんだんわかってくる。
まずは手元に本体を置いて、一緒の操作をし続ければ、大体同じ結果になる。
最初からこれに気づけば非常に楽だったのに・・・・。
そして、なるべく専門用語を使わない。「タップ」「スワイプ」どころか「インストール」「ホーム画面」すら専門用語と思ったほうがいい。コピーライター養成講座の時に言われた「小学生でもわかる言葉で書け」を改めて認識させられた。
何はともあれzoomインストール完了。
ちなみにzoomは本来であれば、URLを踏むだけでログインできるお手軽アプリである。
が、今回挑戦したのはミーティングIDとパスワードでのログイン方法。
何故わざわざ面倒なほうを?と思った方、気持ちわかります。
実は、スマホ初心者だと、メールやLINEが設定できておらず、そもそも相手側にURLを飛ばす手段がないのです。
なので、ログイン方法は「口頭でIDとパスワードを教えてログインしてもらう」というとてもアナログな方法なんです。
ただ、この方法にはメリットがあって、
・zoomログインを経験しながらzoomを使いこなせる。
・一番面倒な方法なので、これさえマスターしてしまえばほかの方法がぐっと楽になる
・IDとパスワードでのログインなので、もらった側はPCでもスマホでも好きな媒体でログインできる
などなど、結構な恩恵があるのです。
ただ、「一番大変な方法」には違いないので一筋縄ではいかなかった。
「それではzoomを起動してみましょう。最初の画面にあるはずです」
「起動するわね」
「では ”ミーティングに参加”という青い文字の部分を押していきましょう、IDは・・・」
時間はかかったが、序盤、中盤の問題が嘘のようにサクサクすすむ。
「映ったわ!!!」
「やりましたね!!!」
本当に長い長い道のりだった・・・・。何とかカメラ接続が完了した・・・。あとは音声だけだ。
最初はgoogle Play ストアさえわからなかったのに、今はzoomにログインし、オンラインレッスンを行おうとしている・・・。
あと一歩だ・・・・。
「では最後に、”デバイスオーディオを介して通話する”と書いてある白い部分をポチって押してみてください。それで完了です」
「わかったわ」
これで作業が完了である。本当に長い、長い回り道だった。
本当に本当に なんて遠い廻り道・・・
俺は成し遂げた。zoomを導入するという戦いに勝った。
気分は最高潮。脳内ではアメリカ横断レースを成し遂げていた!!
「あれ・・・なんか変な画面だわ」
「!?」
アメリカ横断レースが唐突に中断された。
第五章 神の指先
「どんな画面が出てますか?」
「会話するにはタップって出てるわ、押してみるわ・・・・。会話終了って出たわ」
え、どうなってるの・・・。
こういう時は何らかの誤操作をしてしまっているケースがある・・・!
zoomに超詳しいわけではないし、待たしてしまうとまずい!!速攻で調べねば!!
冷や汗をかきながらググると、どうやらドライブモードというものに入ったらしい。(左スワイプで切り替えられるzoomの機能)
余談だが、若い方と、年配の方は指先の使い方が違うのを後で知った。
感度良好な最近のスマホは年配の方の誤タップや、誤スワイプを本人の意思と関係なくうっかり拾ってしまうのだ。
「横にシュッっとしたら戻れませんか?」
「シュッ・・・ あ、戻れたわ!!」
非常事態になったときに問われるのは冷静さである。
携帯のカスタマーセンターも、こんな感じでいつも対応しているのだろうかと頭が下がる。
今、電話口のお客様は、僕のことを”100%解決してくれるドラえもんかゴルゴ”だと思っている。
ドラえもんやゴルゴが
「あっ、これ解決できねーわ。無理だわ。わからねーわ」
とか言っちゃダメなのである。
「元の画面に戻ったようなので、左下のヘッドフォンのマークをポチっと押してみてください。」
「ヘッドフォンマーク・・・?無いわよ?」
あれ?おかしいな。zoomには必ずヘッドフォンのアイコンマークがあるのだ
「画面をどこか押しても出てきませんか?えっと、スマホの画面のど真ん中を押してみてください。」
「色々でてきたけど、ヘッドフォンマークって無いわ・・・。」
「左にマークありませんか?」
「そうね、山のマークと金魚のマークなら並んでるわ」
山・・・・?金魚・・・・?なんだそのマークは・・・・?
慌ててzoomのアイコンを確認する。
山と金魚なんかどこにも・・・・。
!?
~~~~!!!! これかぁ~~~~!!!そうきたかぁ~~~~!!!
確かに山に見えなくもない。金魚に見えなくもない!!!
「その山のマークを押してみてください、デバイスを介して通話するというものが出てくるはず。それをポチってしてみてください!」
「わかったわ・・・。アメリカ合衆国って出たわ!!」
今度はアメリカ合衆国かぁ~~。
これたぶん、間違ってダイヤルインをタップしたやつだな・・・。
今度zoomの要望書に”ダイヤルインとデバイスを介して通話を離してくれ”と要望書を送ろう・・・。
「戻るボタン分かりますか?もう一度戻って山マークを押してみてください。
そして、ゆっくりと、確実に、”デバイスを介して通話する”をポチっとしてみてください。」
「わかったわ、ゆっくりと確実に・・・・。つながったわぁ!!聞こえるかしら??」
「聞こえます!!!」
やった・・・。
やったぞおおおおお!!!
画面の前で派手にガッツポーズを決めた!!
人類史上初めて電話がつながったようなうれしさである。
どんなことでも、粘り強く、辛抱強くやり続ければきっと結果が出る。
例え困難にぶちあたろうとも、それを乗り越えた先には喜びがある。
この日、全くスマホが分からない70歳のお客様と、zoomがつながったのだ。
第六章、後日談
「あの時の話をブログにも書いていいですか?書いたら文章も見せるので」
「ふふふ。そんなこともあったかしら。いいわよ」
その後、オンラインでそのお客様と話をしていた。
この70代の方は、ある程度手取り足取りした後、
今ではバンバンLINEでレッスン予約を取り、zoomのIDとパスワードでログインしてレッスンを受けている。
更に家電屋さんでカメラ買ってきて、zoomカメラのセッティングも自分でやってます。
適応能力すげえ。
このブログ事前に見てもらったとき、
「あら、私ってこんな感じだったかしら笑」
と笑ってくれてたのが印象的だった。
最終章、知識の差はどこから生まれるのか。
スマホが使えないだけで、これだけの大事になってしまう。このコントのようなやり取りは、純粋な知識の差なのだ。
普段当たり前のように使っている、「ホーム画面」「タップ」「スワイプ」「アプリ」「ブラウザ」
スマホを始めたばかりの人たちは、これらの単語すら学ぶ機会がなかった。
1+1=2みたいな誰もが当たり前だと思うようなことでも
「1って何?」「+ってなんのこと?」
という前提知識が欠けていると誰にでも起きることなのである。
この辺りは、下記のブログでも書いてある。
40歳で料理を始めてみたら「パソコンを起動できないおじさん」の気持ちがわかった件。
例えば人参があったとして、「これはどこまでが排除するべき皮で、どこからが食べるべき実なのか?」ということが判断出来ないわけです。玉ねぎってあれどこまでが皮なの?本体ないんやけど。
いや、皆さん笑うと思いますが、これ、多分どんな分野であっても、「全く触ったことがない初学者」ってきっとこんなもんだと思いますよ?
パソコン触ったことがない会社のおじさんに、「まずExcelを立ち上げてください」と言っても、相手はそもそもパソコンの電源の付け方が分からないし、その後のログインの方法も分からないわけです。
我々が常識だと思っていることも、全く知識がない人からすると暗号のように聞こえる。そして、分かる人は、分からない人の気持ちは分かりにくい。
今回はそれがたまたまITの世界だったということ。物が変われば僕らが常識を教わる側になる。
僕はよく「何でそんなに詳しいのか」と言われるが、子供のころからインターネットの大海原に揺られていて、何でもかんでも検索する癖がついている。
僕自身の知識は大したことない。全てはgoogle神が教えてくれる。
「インターネットは、正しく調べればすべてを教えてくれる場所」と認識しているだけなのだ。
しかし、”調べること”を知らなければ情報に行きつかない。
また、自分が何を知らないかを分からないと調べようがないのである。
ITの世界は進化の速度がものすごく早い。
ガラケーで電話だけでよかったものが、気づけばスマホに変わり、気づけば何でもできるようになっている。
その圧倒的な速度感から振り落とされてしまったら、もう追いつけない。色々分からないし、何から手をつけていいのか分からない恐怖の対象になってしまう。
ただ、振り落とされたからと言って、そこから二度と触れられないものではないのだ。
先ほども書いたが、70代の方は全く分からないところから、zoomとlineを始めて、webカメラを導入し、今度はメルカリをやりたいそうだ。
今回、このブログで面白おかしく書かせてもらったのは、このくらい知識がなかった人でも、手を差し伸べてもらえさえすれば、簡単に追いつくことができるということ。
そして手を差し伸べてくれる人は身近に結構います。家族とかね。
「自分にはもうできない」と最初からあきらめてしまうよりも、そこから一歩踏み出す勇気が持ててくれたらなと思うんです。